今日は成田さんとの打ち合わせか…。 朝食を軽く済ませ、仕事の用意をして家を出る。 そういえば、どんなモデルさんなんだろ…名前だけでも聞いとけば良かったなぁ…と思いつつ、大通りでタクシーを捕まえて乗り込むと打ち合わせ場所である、成田さんの事務所へ向かった。 __________ 「本日、成田さんと打ち合わせ予定の須藤と申しますが、お取次ぎお願いします。」 事務所に着くと受付の電話で取り次ぎしてもらい、エントランスで成田さんを待つ。 「あっ…須藤さん！お久しぶりです。お待たせしてすみません。お忙しい中、今日はありがとうございます。」 「いえいえ、こちらこそ。ホントお久しぶりですね。」 出会った当時の話をしつつ、打ち合わせの部屋へ案内をしてもらった。 「ここです。モデルの方も中にいるんで、よろしくお願いします。」 そう言って部屋の扉を軽くノックする。 コンコンコンっ…… 「…はぁーい。」 中からは若い男の人の声で気の抜けた返事がした。 ガチャ… 「失礼します。」 「失礼しまーす。」 成田さんが扉を開けてくれ、中にはいると一人の男性が立っていた。 「おはようございます！初めまして、瀬羅樹矢です！！」 にっこりと太陽みたいに眩しい笑顔を彼は俺に向けた。