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拍動-hakudou-1
「では、また当日よろしくお願いします。」
「はい。お願いします。」
打ち合わせが終わり、帰ろうと立ち上がると瀬羅さんが勢い良く立ち上がった。
「終わった?打ち合わせ終わり?」
マネージャーに嬉しそうに聞いて、終わったよ。と返答を聞くと真っ直ぐ俺の方へ向かってきた。
「須藤さんっ、連絡先教えて欲しいです!」
携帯を持ちニコっと笑う。
「あ、え。良いですよ?」
「こらっ!瀬羅くん!何時も何時もいきなり…。」
これ、何時もなのか…。
「だって、マネージャーは番号知ってるんでしょ?ずーるーいー!俺も知りたいし!」
駄々を捏ねる子供のようで思わず笑ってしまった。
「んふふっ…。」
「あ!須藤さんが笑った!可愛いー!」
か、可愛いって…また……。
再び可愛いと言われ恥ずかしくなり、全身の体温が少し上がり、顔を伏せた。すると、彼は更に近づいてくる。
「……照れちゃった?」
彼は顔を覗き込んできて、俺にだけ聞こえるように小声で聞く。
「……っ!」
その一言が更に俺の顔を赤らめさせた。
何なんだ…俺の気持ちを掻き乱して…ずっとヘラヘラしてるのに、簡単に人の思ってる事を見破ってくる…
「この後、お食事どうですか?」
__________簡単に、流される…
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