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負荷-huka-4
正面の大きなモニターに映像が流れる。ブランドの紹介の後にモデルが新作の服をきて次々とランウェイを歩く。
歓声は鳴り止まず、観客はスマートフォンを掲げて写真を沢山撮影してはSNSにあげている様子が見える。
俺はカメラを構えて、モデルが舞台上でポージングをする瞬間を捉えるためにシャッターを押す。
樹矢はまだか…。どこで出てくる…。
早く。早く…。
心待ちにしていると、一際大きな歓声が会場中に響き渡った。驚いてファインダーから視線を外すとモニターには大きな樹矢の顔が映っていた。
ドクン…。
心臓が大きく脈打つ。
映像が終わり舞台上に樹矢が現れると、更に歓声は大きくなり、場内の熱が一気に上がったのを肌で感じた。
「樹矢ー!」「樹矢くーんっ!」
名前を呼ぶ声も多く、彼が今どれだけ人気なのかを改めて実感する。
俺はカメラを再び構えて、一秒たりとも逃すまいと彼のランウェイ姿を捉える。
シャッターを押す手は止まらず、さっきまで歩いていたモデルの比にならないくらい彼は画になっていた。
どんどん歩いて近づいてくる。
彼が立ち止まった瞬間、こっちを見る。
すると 驚いたように目が見開かれて、レンズ越しに俺と樹矢の目がばっちりと合った。
ポージングを取り樹矢が手を伸ばす。
指を銃の形にして、俺に向かってバンっと打った。場内は更に沸いたのを感じて、彼は悪い笑顔をしながらくるっと回り逆方向に再び歩き出す。
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