79 / 227

自慢-jiman-1

「しーゆちゃんっ!」 朝ご飯の支度をしていると、寝てるはずの樹矢がキッチンにひょこっとやって来た。 「…おはよ、樹矢。」 寝起きでボーッと味噌汁の味噌を溶きながら樹矢に言う。 「寝起きなしゆちゃんも可愛いっ!」 「っちょ!あんた!今は駄目!」 ガバッと後ろから抱きつかれ、手元がブレてしまい菜箸が床へ落ちた。 「もう…少しは我慢を覚えなよ。ホント。」 しゃがみ込んで菜箸を拾い上げる。 「えー…。可愛い可愛い恋人なんだもんー。我慢なんかでーきーないっ!」 「もう…。とりあえず食べる用意してよ。今日はあんたとの撮影なんだから遅れるよ?」 「えぇー。先にしゆちゃんを食べたいなぁ。俺。」 腕を腰に回してエプロンの上から厭らしく撫でる。 「こらっ!ダーメ!」 ムードに持って行かれそうな所を抑えて樹矢の腕から抜け出す。 「ぶーぅ。じゃあ、夜ご飯にオムライス作ってくれたら我慢する…。」 座り込んでふくれっ面で口を尖らせて言う樹矢が可愛くて優しく口付けする。 ちゅ…。 「仕方ないなぁ。愛情たっぷりのオムライス作ったげるよ。」 「やった!大好きー!」

ともだちにシェアしよう!