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夢路-yumeji-1

白い部屋のカーテンを開ける。 景色は海だけ。 周りに家はここ以外見えない。 今日も一人で朝食を作り、一人で済ませ、一人で片付ける。 毎日の始まり。今日という一日がまた時間を動かす。 いつも一人な俺は、どうしてこんなに広い部屋に居るんだろう。 物は少なく、殺風景な部屋を見渡して思う。 どうしてだろ。と。 「さて、行くか。」 いつものように支度をして、外へ出る。 すぐ辿り着く砂浜は、シャリシャリと歩くたびに音を鳴らして心地良い。 シャッターを押しては、移動する。 毎日、繰り返している。 人は自分以外誰も居ない。 どうして毎日写真を撮るんだろう。 思い出せない。 無心で撮り続けた後、不意に足を海辺に入れてみる。 海水が、足元を包む。 ヒンヤリと温度が伝わってきて、まだやっぱり海は少し冷たい。 バサッと、大きな波が俺自身に被さる。 一瞬にして海水まみれになり、服が肌に貼り付いて気持ち悪い。 寒い…。 帰ろう…。 一人、足跡を辿って家に帰る。

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