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悋気-rinki-4

「あっ…。」 コンビニに着いて少し待っていると、外から見慣れた車がこっちに近づいてくるのが分かった。 運転席を見てみると帽子にマスクをした樹矢で、俺と目が合うと彼は片手をあげた。 コンビニを出て、車の助手席に向かう。 ロックを解除してくれ早々に乗り込んだ。 「しゆちゃん!お疲れ様。」 「樹矢こそ、こっちまでありがと。」 「早く会いたかったからね。」 「行くよ。」と言う声と共にエンジンを掛けて車が動き出す。 「お腹空いたなぁー。樹矢、スーパー寄ってくれない?」 「いいよー!何時ものとこでいい?」 「ああ。」 何時も行くスーパーは二人の家から少し離れたところにある。世間に顔がしれている彼の為に、あえて近くのスーパーやコンビニは行かないようにしている。 家バレ防止だ。 「はい、とうちゃーく!俺も付いていこーっと。」 エンジンを切ると嬉しそうにシートベルトを取って、ドアを開け外へ出る。 「別に来なくていいのに。」 少し呆れつつ言う俺に「来てほしかったくせにー。」と答える。俺の内心は彼にバレバレだ。 樹矢の持ってくれるカゴに必要なものを次々入れていく。俺が先に進んで後ろから付いてくるだけの彼は、特に何もしていないのに嬉しそうに顔をニマニマさせている。 「うーん…。」 左右の手に1つずつレタスを持って、どっちにするか考える。 「しゆちゃん?どうしたの?」 俺の肩に顎を乗せて、耳元で声を掛けられる。 「バカ、誰か見てたらどうすんだよ。」 乗せられている方の腕を上げて、樹矢を剥がす。 「しゆちゃん…今日匂うね。」 何時もなら「いいじゃんー!」とか駄々をこねるのに、今日はリアクションが違った。

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