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俺の気持ちは。
「...俺、」
「俺、優羽が好きだよ。」
「...っ!」
だからって、泣くわけにはいかない。
聞きたかった言葉は、今じゃない。
欲しい時は...過ぎてしまった。
圭人が好きだった。『だった』んだ。
「...圭人」
グッとミルクティーのペットボトルを握りしめて圭人を見上げる。
「...もぅ、終わりだよ。好きだって言われても俺の気持ちは...」
圭人の顔を見て話しているのに、今、頭に浮かぶのは圭人ではなく別の人だった。
なんで...?
なんで彼が...
俺の気持ちは...
「優羽」
圭人の言葉にハッとして、目の前の圭人を見る。
「誰にも渡さない。...あいつにも」
今まで見た事ないほど険しい表情の圭人。
あいつって...?
ぼぉっとしている俺の手を掴み、距離を縮めた圭人は俺に...キスしようと唇を近づけてきた。
「...やっ!」
慌てて距離を取ろうにも腕を掴む力が強くてびくともしない。
「や、やだっ!圭人!」
「...」
顔を背けるけど両手を掴まれ、片手で顎を掴まれると上を向けられる。
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