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ドキドキします。

「優羽の髪の毛、綺麗だから触りたくなるのよね!いいよね?」 ね?ね?と凛の迫力がすごくて、思わず頷いた。 「やったー!それじゃあ」 握られていた手が離れて、松木君の綺麗な手が俺の髪の毛に触れる。頭を撫でて、形を確かめるように触ってくる。 「髪、ツヤツヤしてますね。そんで先輩、頭の形良いですね」 そう言われて、松木君を見るとにこやかに優しい瞳をして俺のこと見ているから目が逸らせなくなった。 綺麗な、髪の毛と同じ焦げ茶色の瞳。 優しく笑みを浮かべて、手は俺の頭を撫でている。 あれ。頭撫でられるのって、なんか気持ちいいかも。うっとりしちゃう。 「ふふ。先輩、仔犬みたいで可愛いね」 すっと、松木君の手が動いて指先が耳に掠った。たまたま。偶然。なんの意味も無い 「...んっ」 のに、くすぐったがりで、耳が弱点な俺は思わず声を出して...身を竦めてしまった。 思わず、両手で口元を押さえる。 「...先輩」 動きの止まった松木君。 多分、いや絶対に真っ赤になっている俺。 「...くすぐったいの?」 いつもより、低い声が聞こえた。 恥ずかしくて顔をあげれない俺は、何度も頷いて返事する。 くすぐったいのが苦手で耳触られただけで声でちゃうなんて、恥ずかしすぎる。 「...かわいい」 「...へ?」 思わぬ言葉が降ってきて、俺は顔を上げてしまった。松木君の顔を見てしまった。 優しい笑みを浮かべる顔はいつもとちょっと違う感じがした。どこが?そうだ。瞳だ。瞳の奥がゆらりと揺れたような気がした。 すっと、松木君の手が伸びて俺の耳に触れーー... 「はい、終わり!!!」 慌てた凛にストップかけられて未遂に終わった。

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