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甘い感じもする。

「優羽先輩のお兄さん、似てますか?」 「うち?全然似てないよ。兄ちゃん、大きいしごついし。父さん似なんだ。俺は母さん似。瓜二つなんだって。」 自分的には似てると思ったことは無いけど、よく親戚のおばちゃんに言われるんだ。 「へぇ。可愛らしいお母さんですね」 「そう?いいおばさんだよ」 「だって、先輩と同じ顔なんでしょ?可愛いですよ」 にっこり笑う松木君はタラシ全開だ。 それに いちいち顔を赤らめる俺も慣れない。 「松木君にタラされそう」 「また、そう言う。タラそうなんて思って...いや、あわよくばですかね」 「え?」 「先輩と仲良くなりたいんです」 いつも笑っている瞳が、真っ直ぐに俺を捉える。...手には唐揚げ持って。 「...ぶふっ!」 余りのギャップに堪えきれずに思わず吹き出す俺に釣られて、松木君も笑った。ピリッとした雰囲気が柔らかくなる。 「もぅ仲良いじゃん」 「...もっとですよ。もっと仲良くなりたいんです」 松木君はいつもより低い声でゆっくりそう言った。俺の目を見ながら。 手には唐揚げなんか持っていないから笑えない。 「ぁー...うん」 どう答えれば正解なんだろう?気になる人との距離のとり方がよく分からない。 俺は真っ直ぐに松木君を見れなくて目をキョロキョロさせて逃げてしまう。 「先輩」 いつもより、低い声。 少し、甘い感じもする。 名前を呼ばれても顔を見れない。 「先輩。...お米ついてますよ」 すっと、松木君の綺麗な手が伸びてきて頬に触れる。ピクンと反応する体が恥ずかしい。 「...なんちゃって」 頬に触れた手は、そのまま横に引っ張られる。 「...痛い...」 「ププッ。先輩、ほっぺ柔らかいですね」 松木君はキラキラした瞳で楽しそうに笑った。

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