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手放せません。
ボロボロ泣く俺を松木君は抱き寄せる。
「...っかった~。」
心底ホッとした、松木君の安堵の声に緊張していたんだと気づいて、嬉しくて嬉しくて松木君の背中に手を回して抱きしめた。
「はは。早速泣かせちゃいましたね」
「...ごめ、俺、嬉し、くてっ...」
「...俺も。凄く嬉しいです」
2人で抱き合いながら鼻を啜っているのがおかしくて、顔を見合わせて笑った。
松木君の笑顔は眩しくて太陽みたいだよ。
「はは。俺、次の授業も出られないや」
涙が溢れて止まらない。でも、悲しい訳ではない。涙が流れるけど、優しい笑みを浮かべている。
「じゃあ、俺も先輩といます」
「...うん」
松木君はぎゅっと抱きしめて、背中を撫でてくれる。
「...松木君」
「はい?」
「これから、よろしくお願いします」
「...っ!」
抱きしめあっているのでお辞儀はできないけど。気持ちを込めて伝えた。
背中を撫でている手がまた、俺を力強く抱きしめてくれる。
「もう、先輩の事手放せそうにありません」
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