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餌付けされています。

登校は、俺は徒歩で松木君はバスだ。 登校までの途中にバス停があるのでそこから松木君と一緒に学校へ向かう。昼はピアノがある音楽室でお弁当食べてまったり。授業が終わるとまた音楽室に行き、人気が無くなるまで待って一緒に帰る。帰ってもLINEで寝るまでやり取りして1日が終わっていく。 そんな日々を過ごして5日。 「先輩。これ、美味しいですよ」 はい、あーんと言われ素直に開けると口の中にお菓子を入れられる。毎日、食後にお菓子をくれる松木君。もぐもぐすると、口の中にチョコとクッキーの甘みが広がり確かに美味しい。思わず笑みが零れる。 「ふんとだ。おいひい」 新作のチョコのお菓子なんです、となぜか頬を赤くした松木君がふにゃっと笑った。 今は、音楽室で机を挟んで座ってお菓子を食べてのんびりしていた。 「先輩、体育祭りの練習どうですか?」 「んー。練習っても俺、玉入れだけだもん。松木君は借り物競争とリレーだっけ?」 「はい。あと、応援合戦も参加します」 「へぇ!!すごいね!あれ、カッコイイよね!俺、去年感動した!」 応援合戦は各学年から選ばれた精鋭たちが独自に振り付けをした踊りを踊って盛り上げるのだ。一糸乱れず踊る姿は鳥肌モノだ。 「松木君、出るんだ。楽しみだな」 見た目通りの運動神経の持ち主なんだろう。花形種目ばっかりだ。 「俺も楽しみです。先輩の玉入れ」 そう言って松木君は意地悪な顔して笑った。 ...男前過ぎてときめくわ。

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