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大丈夫です。

太田君のおかげで落ち着いてきたけど、ズボンのポケットに仕舞った存在が冷たく、重い。いつもと同じようにしているけど、笑えているだろうか。変に引きつっていないだろうか。 ルンルンご機嫌な山根はもう少し太田君と話したいと言っていたが、凛に引きずられるようにその場を離れた。太田君が爽やかに手を振って見送ってくれる。 「いや、なんだあの爽やかさ!今年の1年眩しいね!!」 「ほんと。キラキラしてるよね」 「...で?優羽はどうしたの?お腹でも痛い?」 俺の顔を覗き込んでくる凛の顔は心配そうだ。不意をつかれた俺は、一瞬固まってしまう。 「...え?」 「ん?だって、なんとなく顔がいつもと違うもん」 「...そう、かな?」 「んー?いつもと同じじゃねぇ?」 無意識のうちに、ズボンのポケットに手を当てていた。心臓バクバク。 「どうかした?」 「な、なんでもないよ!」 「そお?」 疑いの眼差しを向ける凛の顔を見て、俺はなんとか笑って誤魔化した。 さすが、幼馴染み。ちらりともう1人の幼馴染みに目を向けると大きな欠伸をしていた。 うん、山根だ。なんだか和んだ。 ...うん。大丈夫。大丈夫。こんな、紙1枚で動揺するなんて、らしくない。気にしなければいいんだ。後で、捨ててしまおう。 それは、最初の手紙。 まだまだ続く、最初の手紙だった。

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