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正体をつきとめる。
次の日の朝、いつもより早めに学校に着いた。手紙をもらって毎日落ち込むより、正体を突き止めて話をしよう。どういうつもりなのか。どうしたいのか。それがいい事なのか分からないけど、このまま立ち止まってるよりかは、絶対にいい。
昨日、松木君に勇気をもらった俺は単純だ。でも、今ならなんでもできる気がする。
部活動の元気な音を聞きながら靴箱を目指す。気分は少し高揚していて、自然と足音を立てないような歩き方になっている事に笑える。
静まり返った昇降口。
カタン、と小さな音がして。その音が自分の靴箱の方からだと気づいた俺は逸る気持ちをを抑え、でも、少し足早に靴箱の方へと近づいた。
「...ぇ?」
手紙の主に話を聞きたかった。
どうして?
その疑問を問いただしたかった。
どうして?
なのに、そこに居たのはーーー。
どうして?
「...太田、君?」
掠れた、小さな声が出た。
開けられた自分の靴箱。
俺の声に反応して、こちらを見る一重の瞳。その瞳が驚愕に見開かれる。
その手には...すでに見慣れた白い封筒。
鼓動が速まり、背中に嫌な汗が流れる。瞬時に喉が乾いたのか声が出てこない。聞きたい事はたくさんあるのに立ち止まって太田君を見ることしか出来ない。
あいつ、幼馴染みですっごい良い奴なんですよ。
松木君の笑顔が見えた。
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