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お前も離しなさい。

「なんだよ。離せよ」 「...先輩に、何してるの?」 松木君の声は硬くて、圭人との間の空気はピリピリしている。 ...俺? 「はぁ?何もしてないけど。...あぁ」 圭人が何か気づいたようで、口元を緩めて笑った。そして、松木君に掴まれていない方の手で俺の手を引いて自分の胸に引き寄せる。 「...え?」 トスン、と圭人の意外と厚い胸に受け止められる。 「俺がまた泣かせてると思った?」 「...は?」 「...」 そう言えば、ゴミをとるために涙を流したんだ。それを誤解して...? 「ち、違っ...」 慌てて圭人の腕の中から離れようとしたら逆に抱きしめられてしまった。 「ちょ、圭人!?」 見上げると意地悪に笑う圭人と目が合った。 「なんだか最近優羽元気ねーし、寂しい思いしてるみてーだし?慰めてただけだよ」 な?といたずらっ 子の笑みを浮かべる。 慰めって... 「...圭人」 そんなつもりは無いから、首を振って否定し圭人の腕の中から抜けようとしても離してくれない。 「ってか!いつまで掴んでんだよ。離せ」 ブンっと腕を振り、松木君に掴まれていた手を振りほどくとその手で俺を抱きしめた。 「ちょっ、圭人っ!」 「やー、やっぱ可愛いな優羽は。それに甘い良い匂いするし、抱き心地いいし」 頭に顔を寄せ匂いを嗅がれる。 「圭人!いい加減にしろっ」 「...これ以上はダメです」 ほぼ同時に声を発した俺と松木君。

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