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第3話

戻りました。と一言声をかけて中に入ると奥からパタパタと足音をさせてこちらによってくる 「おかえりなさいまし。天照様」 「ありがとうございます」 「旦那様がお部屋でお待ちでございます。」 わかりました。と言い、出迎えてくれたこの家の家政婦に鞄を渡して、父親が待つ部屋に向かう。 「帰ったか」 「ただいま戻りました。お父様」 「………と……だろうっ」 「え、」 「パパと呼んでっていっただろう!天照きゅん!!」 「きっっつ」 「ちょ、パパに対してきつい!きびしい!」 「きっっっっっっつ」 「辛辣っ!!!なんで!!」 ぷんぷんっ、なんて自分で言いながら地団駄を踏んでいるのは父親の阿部皐月(あべ さつき) この人はこの世とあの世の境にある、さいわい町を統制しているひとり。 この世を守るのは人間達、所謂政治や警察、法律などが世のルールというものを作り統制し、守り暮らしている。 あの世でも同じく妖達が世のルールを統制し暮らしている。 だが、このさいわい町ではこの世の者とあの世のモノが混濁するため統制することが難しい。 そこで人間であり妖でもある半妖と呼ばれる存在がこの世界では重視されている。 妖力、知力、武力など人間にも妖にも力を使えるものたちは“真名”(まな)が大神(おおかみ)から与えられる。 真名とは大神、いわば神様から与えられ名前のことである。この世とあの世が関わった問題や事件を公平に裁くことができる存在である。 “真名”を持つものたちは、この世を統制する者とあの世を統制するモノどちらとも対等に関係を持てる。 その選ばれたのが親父なんだけど…だと思うんだが…なに泣き真似をしながらチラチラと見ているんだほんとうに…

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