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第1話
「いらっしゃいませ。ああ、森村くん」
「遊木さーん! 疲れた~~癒し! 癒してぇ!」
「はいはい、カフェオーレでいい?」
「うん!」
子供みたいに笑う森村に微笑んだ。頭を撫でてよしよししてやりたくなる。
可愛いな……あっ俺また……
「はい、お待たせ。熱いからゆっくり飲みなさい」
「ありがとう! フーフー熱っ」
「だからゆっくり飲みなさいって言ったのに」
「だっであったかいうちに飲みたいじゃん」
あったかいか……
森村はあの時、あんまり飲めない酒を同僚や先輩と仕事終わりに飲んでゴミ置き場の道で意識を失ったって言っていた。
「今日何時に仕事終わる?」
「ん……22時には終わってると思う」
「じゃ! 明日店休みでしょう? 遊木さんの家行っていい?」
「……ん、まぁ、そうだけど」
「決まり! じゃまた後で!」
いいんだけど……
彼の懐きっぷりは、普通じゃないと思う。こんなおじさんといるより、彼はイケメンだし可愛い女の子いくらでもいるのに……
なんで俺なんだろう……
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