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第4話

彼が来ない。連絡もない。珍しい森村くんが来ないなんて____ 強く言い過ぎたかな。いや、あれで良かったんじゃないか。彼の距離感はきっと気の迷いだったって気付いたならそれでいい。 通常通りに戻っただけ。なのに彼が来る時間になると店の扉を見てしまう。普段、気にしないスマホを気にしたりしてる。彼がいない部屋はこんなに寒くて一日が長かっただろうか。 森村くんが来なくなって四日目。 自宅マンションの階段を上がった。部屋の前に座っている人に気付き駆け寄った。 「森村くん……どうして」 「……俺が来ないって少しは心配した?」 「え…それはまぁ、心配したよ」 「じゃ、なんで連絡してくれないの? 教えたじゃん」 「いや、それは仕事忙しいのかなって」 「嘘だ! 遊木さんの店の斜め向かいにある美容院が俺の職場だって言ったし、心配だったら見に来てよ!」 「何? どうした? 森村くん」 「俺達…友達にもなってないじゃんか! 俺だけが会いに行って連絡して……俺だけが」 「……ごめん」 「なんで! 遊木さんが謝…るんだよ!」 俺を抱きしめる森村は何故か辛そうだった。 なんだかいつもより彼の体が熱くて…… 「森村くん? 森村くん! 森村くん!」 森村の異変に気付き額に手を当てた。俺は熱い息を吐く森村を部屋まで担ぎベッドに寝かせた。 凄い熱…… 寒いと繰り返す森村を必死で暖めた。ようやく落ち着いて、ベッドから出ようとした俺の服を森村が掴んでいた。仕方なく俺はまたベッドへ戻った。彼の熱い体に寄り添ったままいつの間にか眠っていた。

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