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《クラスメイト》

そうして迎えた入学式。 幼なじみで親友のたくみと合流して一緒に行動する。同じ科のたくみとはクラスも一緒だから安心だ。 クラス名簿には、『幸田瞬助』の名前がある。 同室者とはクラスも一緒なのか…。 というか、出席番号順で、楠木昴治、工藤たくみ、幸田瞬助と3人並んでいる。 「……」 多分僕らとはタイプも違うし… 極力、絡まないように…たくみと行動しよう。 その幸田はというと、廊下で女子に捕まっているようでまだ教室には入ってこない、様子を伺うとナチュラルに女子と会話している。 初日から女子と打ち解けれるなんか、並みの高校生男子じゃないよね。 「…同室者と上手くやっていけるか不安」 ぽそりと後ろの席にいるたくみに零す。 「幸田だっけ?女子にすごい人気みたいだな」 「うん、まあ、あれだけ女子に人気なら僕に対して変な気起こすこともないだろうけど、気は合わなそう」 「まあ、顔合わせたらそれなりに話合わせとけばいいよ、琥珀寮は部屋が個別に分かれてるから助かるよな」 「その点はプライベート守れるからありがたいよね」 「あ、来たよ」 「……」 そうしていると、噂の幸田瞬助が教室に入って来て、席を確認しながらこちらへやってくる。 「あ、くすのきだっけ?一緒のクラスだったんだな、今日からよろしくな」 僕に気づいて爽やか笑顔を向けて話しかけてくる。 「うん、よろしく、こっちは友達の…」 すぐそばにいるたくみを紹介する。 「工藤たくみ、よろしく」 「おー、席近い同士よろしくな」 愛想はいい幸田、普通に返事してくる。 「うん」 ま、表面的にはいいやつっぽいから、あまり深入りせず、当たり障りない関係を築けていけたらいいかな。 そうして新たな学園生活が始まった。 幸田は朝夕と部活に行くため、自室で過ごしているとそれほど顔を合わすこともない。 しかも幸田はちょくちょく外泊することがあるし… 今日も… 「あれ?今から出かけるの?」 「おう、彼女んとこに呼ばれてるから」 「ふーん、いってらっしゃい」 「じゃまた明日な」 こんな調子で彼女もいるみたいだし、青春謳歌してて凄いなって思う。 僕なんかとは全然生き方が違うから、このまま三年間さわりないルームメイトでいられるはず… だったのに…。

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