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第42話
目の前に無数の火花が散り頭痛がどんどん酷くなってきた。
男は再び俺の口にペニスを挿入して、ニヤニヤと笑いながら頬に突起がびっしりと付いた凶悪な見た目の張形を押し付けてくる。
軽く頬に張型が当たるピタピタという音がしていた。
「これもさっき貰ったんだよ?己咲はこれくらいの太さなんて余裕だよね。このいっぱいのぶつぶつがスケベなメス孔ゴシゴシ擦ってくれるんだって!」
「んむっ」
「おじさんのちんちんを上のメス孔でもぐもぐしてるからおしゃべりできないんだったね。大丈夫だよ!己咲のドスケベ孔を皆の前でキレイキレイにしてあげるからね」
苦しさに息を吸い込もうと口を少し開けたところで喉の奥に男のペニスが侵入してくる。
喉の奥に当たり反射反応で嘔吐感がせりあがってきた。
鼻には陰毛が当たりこそがしいのと、男の臭いがダイレクトに鼻に流れ込んでくる。
男の上機嫌な声に重なって電気マッサージ機のモーターの音にかき消されそうな微かな水っぽい音がしているのが聞こえてきた。
すぐに孔に何かが押し当てられる感覚に覚悟を決める暇もなく孔が拡げられる。
「ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛」
「気持ちいいでしょ?ローション垂らしてあげたからすっごくスケベな音がメス孔からしてるの聞こえる?」
ヴヴヴヴというモーター音に負けない程のぶぢゅっぶぢゅっという水を含んだ音が部屋に木霊している。
俺の口からもぐぽぐぽという男がペニスを抜き差しする音がしていて音にも犯されている気分になってくる。
男が言うように、孔の縁をぶつぶつした物が擦っていく。
その刺激から逃げる事ができないのに身体はこの快楽から逃げようと腰が引けてくる。
腰を引くと身体を丸める様になってしまって足を更に開く形なってしまう。
「ほらいつもみたいに身体くねらせながら観客の皆さんに見える様にメスイキしろ」
「ん゛ぐぉ!!」
男が力任せに張型を押し込んで来たせいで尻に男の手で蓋をされた様になった。
男の脂の乗った指が尻の割れ目部分に当たる。
後ろの刺激は止んだのに、ペニスの中からも外からも暴力的な刺激を強制的に与えられているせいで足が勝手に震えてきた。
腹を殴られているのかと思うほど外からも胎内からも刺激が襲ってくる。
「ん゛ぉ!ん゛ん゛ん゛ん゛」
「あ、また勝手にイッてる」
苦しくて手を伸ばそうとしたところで視界がホワイトアウトした。
俺が絶頂したからといって男が止まるはずもなく男に尻を叩かれ、また激しく張形を抜き差しされペニスに刺さったバイブや睾丸に押し付けられた電マも更に振動が強くなった気がする。
振動に連動して足や肩がビクビクと跳ね抵抗不能な暴力にも近い快楽が押し寄せる。
「もう。ローションが泡立って縁に溜まってるくせにぽっかり拡がったまま縁をヒクヒク震わせて男を厭らしく誘って本当にだらしないメス孔だなぁ。こんなだらしない身体で恥ずかしくないの?」
「お゛ぇぉ」
男が張形を引き抜くじゅぼぉっという音が遠くで聞こえる。
腹に男の手が触れただけでも何度目かなんて分からない絶頂を迎えてしまう。
電マと尿道に刺さっているバイブを止めた男が頭を撫でたところで目の前でバチバチと火花が散ったのが見えた。
「お薬そんなに気に入った?興奮し過ぎて鼻血が出てきちゃったね」
「え?ひぎぃぃ!!」
男の言葉に顔に手をやってちらりと見たら確かに指先が血で赤くなっている。
男に暴力を受けた事以外で血が出た事なんてないので驚くなどを通り越して呆然としてしまった。
そんな俺の事など気にも止めず尿道に刺さっているバイブを小刻みに動かしてくる。
動かされる事で常に射精している様な刺激が襲ってくるのでその刺激から逃れたくて身体を反らす。
身体を反らす事で男にペニスを差し出すような格好になってしまって男がさらに激しく抜き差しをして遊ぶ。
「こら!バイブの隙間から勝手に潮吹きしてイッてるの分かってるんだよ?」
「ひぎゅっ!!ち、ちんちんじゅぼじゅぼ…やっ!!」
「うそばっかり。潮吹き止まらないじゃないかっと」
「や、やぁぁぁぁぁ!!!」
ぐっと奥に押し込まれた勢いのまま尿道に埋まっていたバイブを引き抜かれた。
ぶしゅっという音の後に壊れた蛇口の様に液体がペニスから吹き出す。
身体の震えが大きくなり、足が勝手に痙攣している。
「あーあ。己咲のちんちん壊れちゃったかな?」
「や、さわらなっ…」
「おじさんの手でゴシゴシされるの好きでしょ?」
「ひっ!いた…痛いぃぃ!!!」
男が大きな溜め息をつくのにも身体がびくついてしまう。
俺のペニスを握り強く上下にしごかれ、薬で身体が限界まで高められている俺にとってはその刺激は苦痛でしかなかった。
手を上に下にと動かされる度にまた液体が周りに飛び散る。
「これじゃあまるで潮吹きおもちゃだね」
「お゛ぁっ!お゛お゛お゛っ」
「ほらほら肥大化ちんちん気持ちいいでしょ?この肥大化ちんちんの裏スジにいっぱいピアス付けてあげたいけど、ピアスの穴が塞がるまでは己咲と遊んであげられなくなっちゃうから悩むよね」
「お゛っ!お゛ぎゅっ」
「こんなチンポが無きゃ生きていけないエッチな身体だから我慢させちゃうのも可哀想だし、何よりおじさんの為の肉便器なのに所有者が使えないなら意味ないか」
「あああああっっっっっぁぁ」
男が再び孔にバイブを押し込んできた。
俺には抵抗の余地などなく、無遠慮にバイブを動かす度にじゅぼじゅぼという水音が部屋に木霊する。
ついに後頭部に殴られた様な衝撃が走って俺は意識を失った。
「ちょっとやりすぎですよ?ここは良いのでしばらくゆっくりさせてあげてください」
次に目を覚ました俺の耳に男が誰かから注意されている声が聞こえてくる。
男は声の主から退席を促され部屋から出て行ったのか扉が閉まる音がした。
扉が閉まる音の後におそるおそる目を開けると見知らぬ白衣の男性が立っているのが見える。
状況が飲み込めず身体を起こそうとするが後頭部にズキリと鈍痛があり痛みを紛らわせる為に思わず頭を抱えた。
俺が動いた音で白衣の男性がこちらに気が付いて顔を覗き込まれる。
「気分はどう?」
「頭が…」
「大まかには過労だね。夜通しおじさま達に付き合わされたのかな?あと、脱水の症状も出てるし頭痛以外は吐き気とかはない?」
「いま…のところは」
腕にチューブが刺さっており、何に繋がっているのかと目で追うと輸液のバッグが器具から下がっていた。
頭痛は脱水症状が出てると言っていたのでその関係なのかもしれないと思う。
白衣の男性の話しぶりからするとこの悪趣味なパーティーの事を知っているのかもしれない。
「一応痛み止も入れておこうか?」
「え?あぁ…そう…ですね」
「一応肛門と尿道口には軽い裂傷とそれによって熱を持ってるし腫れがあるから暫くは激しいプレイは控えた方がいいかもね。あ、後あの薬も興奮材だけど心臓とかに負荷がかかるから頻繁に使ってくる様なら言いにくいだろうけどご主人様を止めた方がいいよ。暫くトイレに行くと違和感あるかもしれないけど数日で落ち着くと思うし、君のご主人様にも言っておくからね」
輸液パックに注射器で何かを手際よく注入しながら男性は気にした様子もなく他の症状についても話してくる。
驚くとか以前に、男性が淡々と俺の現状を伝えてきたので唖然としてしまった。
確かに男とのセックスの最中に鼻血も出ている状態での気絶なわけだから医者か何かな事は分かるが、余りにも動揺も何もなく淡々としていたので俺がどうしていいかはかりかねてしまう。
「あぁ。びっくりしてる?今日院長が別の現場に行ってるからバイトの俺が駆り出されたんだよね」
「はぁ…」
「今は医学生してるんだけど、君みたいな“ペット”を飼ってて真っ白でかわいいんだよ。自分じゃ何にもできないし、お世話のしがいがあるんだ」
男性の話に一瞬で背筋が凍った。
正式な医者でもなく、しかも俺と同じペットを飼っていると言うのだ。
つまりこの目の前の男性もこのパーティーの参加者と同じなのだ。
テキパキと後片付けをしている男性の背中を眺めながらため息が漏れそうになるのを我慢する。
そう言えばこの男性に部屋から追い出された男は何処に行ったのだろうか。
「あれ?ご主人様の事が気になる?」
「いえ…」
俺が身体を起こそうとしたことに気が付いた男性は俺の背中に手を入れて起き上がらせてくれた。
その時病院で着るような服を着せられている事に気が付いたので少し部屋の様子を伺う。
男との家なら男がそこら辺に投げ捨てているゴミ等があるはずだがそんなのも落ちておらず、床は綺麗だし暇潰しの様に俺をなぶる為の卑猥な玩具も落ちていない。
しかし気を失う前に居たホテルの一室でもないし、病院の部屋という感じでもないので少し首を傾げてしまった。
「君はホテルからこの診療所に運びこまれたんだよ。まぁここは正式な病院ではないけどね」
「病院じゃ…ない?」
「そうだよ。俺は所詮バイトだから違うけど、所謂闇医者ってやつかな?」
「や…みい?」
「身体には明らかな違法スレスレの薬物投与の痕跡に、今回の薬物投与しての性的虐待。しかも局部を見るに結構調教されてから長いの?ペニスも肥大化させてるし、肛門も使ってるから縦に割れて完全にメス穴になってるのひと目みただけで医療従事者ならすぐ分かるよ。乳首も肥大化させてピアス着けてるし、君学生でしょ?よくこれで学校とかに虐待で通報されなかったね」
俺が着ている病院着の様なものをペラリと捲って今は萎えているペニスを見られる。
その後足の間を覗き込んでたかと思うと病院着の上半身の合わせ目をずらして乳首のピアスを見られた。
客観的に身体の特徴を言われ、恥ずかしいというよりは現実を突き付けられた様に感じる。
虐待等の疑いをかけられた事は一度もない。
男は俺の身体に痕が残るようなプレイは長期の休み期間か、もし痕が残ってしまった場合は痕が消えるまで外には出してもらえない。
男に引き取られてすぐは調教の為に色々と縛られた痕や暴力の痕があったが全て服の中だったし、腹なんかの分かりやすい所には痕をつけない様にもしていたので個別での呼び出しや教師からの身体検査なんてのもなかった。
何より転入を繰り返していたのでそこまで気が付かなかったのかもしれない。
「君いくつか知らないけど、明らかに若いしこんなプレイばっかりさせられてたらそのうち死んじゃうよ?」
「そうですよね…」
「まぁ人各々だから程々にね。点滴が終わったら帰っていいからね」
男性の言葉に死ねたらどんなに楽かと思うがそれは口には出さず愛想笑いを浮かべた。
下手な事を言って男に聞かれていた時の事を考えるとこれが最適解だろう。
男性は残りの器具の片付けを終えると部屋から出ていってしまった。
ぽつんと部屋に残された俺はぼんやり輸液パックから落ちる液体を眺めて今までの事をぼんやりと考えて涙が溢れそうになるのを上を向いて堪える事しかできなかった。
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