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第47話

男がピアスを俺に見せ付ける様に目の前に差し出す。 左右に振るのを俺はぼんやりと眺めるしかない。 「己咲知ってる?ピアスって太くする事ができるんだよ?これからどんどんちんちんのピアス太くしていこうか?」 「い、いや…嫌です」 「えー?いいと思うんだけどなぁ?」 俺の意見など無いに等しいのに、問いかけながら男が俺のペニスを掴んでプラプラと振って遊び始める。 ぶるんぶるんとペニスが上下に揺らされるので先端から透明な液体が遠くに飛んでいく。 「ピアスを抜いたから今度は消毒していくよ」 「ふぎゃぁぁぁぁ!!!」 「オキシドールをたっぷり含ませた脱脂綿だよ。ふふふ。しゅわしゅわいってるね」 男が何かを言いながら白い塊を持っているのが見えたが、それをペニスへ押し当てられた瞬間今まで感じたことのない痛みがペニスへと襲ってくる。 ピアスが刺さっていた所を包み込む様にその白い塊が覆うと俺にも聞こえるほど大きなじゅわっという音がした。 男が直ぐ様白い塊を外すと、それが濡れた脱脂綿だと男の言葉で気がつくも生理的な涙ですぐ視界が霞む。 脱脂綿が外されたのに、幹部からはしゅわしゅわと音が未だにしている。 痛みから逃れようにも手足は縛られているので身体を捩る事しかできない。 「泡立ってる泡立ってる。乳首の時はどうだったかなぁ?おじさん忘れちゃったよぉ」 「んんんんんっ」 「ちんちんイタイイタイの間に乳首のばしておこうねぇ?」 手に持っていた脱脂綿をベット横のゴミ箱に放り投げ、男が胸に貼り付いている器具に手を掛けた。 キリキリと上のネジを巻いていくと胸にも痛みが走るが、未だに焼けるような痛みがペニスを襲っているのでそれに比べると痛みが弱いく感じる。 乳首は自分から見えるので、見下ろすと男によって時間をかけて引き伸ばされて大きくなっていた乳首が吸い上げられて更に引き伸ばされ赤く充血していた。 「さ、ピアスもふきふきしたから元に戻そうね」 「いや…いやぁ」 目からはボロボロと涙が零れ、男が楽しそうにしているのについ本音が漏れてしまった。 自分の気持ちもを偽ることができない程に逃げ場のない痛みが襲ってきている。 男は俺の泣き顔をニヤニヤと笑いながら見下ろしてきているが、ヒヤリと冷たい物がペニスに当たった。 俺はこれから襲ってくるであろう痛みに歯をくいしばって身構える。  ゆっくりと金属が肉を通る時の痛みに自然と歯がカチカチと鳴ってしまう。 「ピアスの穴が安定してないから血がでちゃってるね。もう一回消毒しようねぇ」 「やめ…やだ…ひぎぃぃぃ!!」 ピアスが穴を傷付けてしまったのか痛みと共に血が出ているのが見える。 男に再び脱脂綿でピアス付近を消毒されると隙間から入り込んだオキシドールが患部で刺すような痛みを放つ。 足を開いている状態で拘束されているせいで腰を引くと胎内へ埋め込まれたローターを締め付けてしまうことになる。 苦しんでいる俺へ追い討ちをかけるように、男は乳首の器具のネジをまた巻いた。 「さぁそろそろ疲れて眠くなってきたゃったから、己咲もねんねしようね。おじさん寝てる間にちっち行きたくなった困るからまたおむちゅしようねぇ」 「やだ…外して…」 「そっかぁ。己咲はおしゃぶりも必要なんだね…」 「や、それ…やっむぐっ!!」 男が内側にイボイボの突起がびっしりついているディルドが生えたおしゃぶりを俺の口に押し込んだ。 舌にディルドを覆っている突起が当たって背中がぞわりと粟立つ。 口調とは裏腹に俺の事など気にする素振りもなく俺にオムツを再び履かせオムツの隙間からはローターのコントローラーが飛び出ている。 ローターのコントローラーを俺の太股に無造作にテープで貼ると俺の腹を撫でて来たので一瞬身構えた。 「ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛」 「己咲用のお布団でねんねしようねぇ。乳首で持ち上げられるの痛い?」 俺の腹を撫でていた男がおもむろに胸に取り付けられている器具を掴んでベッドから引きずり下ろそうとしてくる。 胸の器具が引っ張られるせいで痛くて声が出るが、口に押し込まれた器具のせいでくぐもった声しか出ない。 「あ、取れちゃった」 「んぐっ」 当然胸で支えられていただけなので、自分の体の重みで器具が外れる。 じゅぼっという音と共に器具が外れ、反動で俺はベッドに戻った。 無理矢理外れた器具のせいで乳首がヒリヒリとした痛みを放っている。 「乳輪のところちょっと内出血しちゃったね」 「んごぁ」 「器具のお陰でちゃんと乳首大きくなったね。ふふふ。痛くても口のおもちゃのせいで変な声しか出ないの面白いね」 乳輪を指先でぐるりと撫でたかと思うと、そのまま乳輪の部分を摘ままれた。 普段ならそんなに痛くない刺激でも今触られるのは辛い。 しかし男はニヤニヤと笑いながら輪ゴムを取り出して俺へと見せつけてきた。 痛みでぎゅっと眉間に皺が寄ってしまった事を自分でも感じているのに輪ゴムを見て更に眉間に力が入る。 「本当は専用の器具で勃起をキープしておくんだけど、今日は面倒だから輪ゴムで結んでおこうね」 「あぉへ」 「嬉しいって?」 俺は止めて欲しくてその事伝えようとするも口の中の異物のせいで言葉は上手くでてこない。 そんな俺へ男は分かっていながら喜んでいると解釈をして乳首に輪ゴムをかける。 何重にも輪ゴムが乳首を締め上げるのを見て男が笑う。 「すごいよ?乳首がボンレスハムやチャーシューみたいになってる」 「ふぐっ」 「ふふふ。輪ゴムの隙間から乳首の肉がはみ出してすごい見た目のこれ弾いたらどうなるのかな?えいっ!」 男は輪ゴムで締め上げられた乳首を指先でぴんっと弾くと痛みが音叉のようにどんどんと増幅していく。 痛みのせいで更に生理的な涙が一気に溢れだして視界が歪む。 頬に涙が伝ってこそがしいが、それを拭うこともできない。 「気持ちよくて嬉し泣きしちゃったのかぁ。もう片方の乳首も残ってるからもっと気持ちよくなるぞ」  「あはへふははい」 「いじめてくださいなんておねだりまでして本当に己咲はどうしようもないなぁ」 「ひはふ…あへへ」 俺の顎を掴んで頬に伝う涙を男は笑いながら舐めた。 本当にやめて欲しくてそれを言葉にしようとするのに、出るのは言葉にすらならない音ばかりで伝えようとすればするほど男は自分の良いように解釈していく。 そうこうしている間に反対側の乳首も輪ゴムでぐるぐる巻きにされる。 痛みも行きすぎると痛覚が麻痺して痺れた様になって痛みが遠退く。 「もう。己咲がおねだりするからおじさん寝ようと思ってたのにこんな時間だよ?さぁ己咲もいい加減ねんねだよ」 「むぐっ」 「起きたらお尻とかちんちんも乳首も沢山いじめて遊んであげるから、今は我慢だよ?」 男が枕元に置いてある時計を見て俺へアイマスクをしてきた。 視界が遮られ暗くなってすぐに首が苦しくなってお尻に固いものがあたる。 多分首輪を掴まれベッドからおろされたのだと思う。 相変わらず口にも、後ろの孔にも玩具が突っ込まれ乳首は輪ゴムで締め上げられたままで手足も動かせないように拘束されているので俺は男が起きてくるのを待つしかない。 孔に詰め込まれたローターはとっても低速で動いているので内側から括約筋に当たる感覚が微かに感じる程度になっている。 静かな部屋に微かなモーター音と自分の息遣いだけが響いていた。 目隠しのせいで、男が本当に寝ているのか俺を観察して嘲笑っているのかも見えない。 しかし、こんな状況でも長年調教を受けてきた身体は少しでも苦痛を快楽に変えてしまう。 「おぁっ!!」 必死に息をしていただけなのに、腹の奥にどんどん熱が貯まっていくのを感じる。 同時にローターを体外に出そうと筋肉が動き出すので、それを必死に止めようと孔に力を入れると中のローターを締め付けてしまう。 男が寝てる間に粗相をしてしまうと更なるお仕置きが待っているので俺も必死だ。 しかし、身体は勝手に異物を体外に押し出そうと動く。 自分の意思ではどうにもならない身体に謎の怒りが沸いてくる。 ぐつぐつと煮えるような快楽が沸き上がって来るのにも怒りがこみ上げてしまう。 「むぐっ!むぅ!!」 口に入っている異物のせいで声が上手く出ないのを良いことに男へ暴言を吐いてみる。 こんな事でしか男への不満を発散できない自分が情けない。 しかし、少し気分は上向きになった所で身体がふるりと震える。 少し気を抜いた所で孔からスルリとローターが出ていってしまった。 ヤバイと思った時にはもう1つするりとローターが抜け落ちる。 「むぁい」 ついつい声が出てしまう。 身体を丸めて出ていってしまったローターを回収しようと、縛られた手を動かすが場所が分からないので闇雲に動かすしかない。 手を動かす度にもふもふと敷かれているのであろう毛布が手に当たる。 男が言っていた俺用の布団とはこの毛布の事で、この毛布とも長い付き合いだ。 何度も涙や精液やら潮やらの体液が染み付いて洗ってもごわごわしていて、所々落ちない汚れのせいで汚くなっているが俺には変に愛着がある。 そんな事を一瞬考えてしまって現実逃避をするもローターは一向に手に当たらない。 毛布の上なのでそこまで遠くには動いて行ってないはずなのに何処に行ってしまったのだろう。 体勢を変えて仰け反る様にして手を伸ばしたところで変に腹に力を入れたのかもう1つが抜け落ちた。 合計3個もローターを取り落としたことで、流石に焦りはじめる。 目一杯手を伸ばしたり足を動かしたところでガサリと音がした。 「むぅ…」 そう言えば男にオムツを取り付けられているのでローターはどれだけ探しても無いはずだ。 俺は鼻から安堵の息を吐き出した。 よく考えればオムツと尻の間でローターが動いているのを感じるではないか。 ここからどうした物かと考えるが、当然妙案など出るはずもない。 このまま寝てしまおうかとも思ったが、眠気は来そうにないのでこのままぼんやりと時間が過ぎるのを待つしかないだろう。 時間もあるので、男にバレないうちに不本意ながら胎内にローターを戻す為にまた手を動かす。 「んっ、んー?」 分厚い紙の上からではまずローターを掴むことさえ難しい。 なんとか掴めた様な気がしても、指先からつるりとあらぬ方向へ行ってしまいまた掴んでは手から逃げていくの繰り返しだった。 これは長丁場になりそうだなと大きく息を吐いた。

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