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第50話

男との宴から解放されたのはそれから2日後の事だった。 男が起きている間はずっと身体をいじくりまわされ、セックスの合間に食事や風呂を一緒に済ませたり、排泄する物がないのに腹の中に擬似的な排泄物を詰め込まれいつもの様にトイレの様子を観察されたり撮影された。 やっと解放された頃には身体はボロボロで疲労感で目を開けているのが精一杯だった。 身体の至るところにキスマークや歯形などがついている。 指を一本も動かせない程の疲労感の俺の事を気にせずに男はデリバリーで頼んだピザを食べていた。 その匂いに吐き気がこみあげるがそれすらも疲れすぎてぐっと我慢をしてしまう。 男の事を横目に見ながらふぅふぅとあがった息を整えている合間にふと意識が遠退いてしまった。 「いっ!!」 意識を飛ばしている間に乳首のピアスを戻されていたらしく胸に慣れた重みを感じる。 いつも着けられているリングタイプではなくバータイプなので多少軽く感じた。 肩の痛みで目が覚めたが、肩を見ると大きな内出血が目に入る。 昨日肩を強く捕まれた時にできたのだろか、それとも強く押されて床に肩を打った時にできたのだろうか。 考えてみるも身に覚えがありすぎて分からない。 そもそも腹にも内出血があるし、寝返りを打った時にこれらの痛みで目が覚めたのかと納得する。 それにしてもここまで身体がボロボロになったのは男と住み始めた頃以来だなとぼんやり思う。 身体がまだ小さな頃は縛り上げられ天井から吊るされて身動きが取れない状態にされてから身体の隅々まで開発されたものだ。 今ではすっかり男を受け入れる為の身体に成り下がってしまった。 「さぁ。買い物にでも行くか…」 部屋を見回しても男の姿が見当たらなかった。 部屋の外からも人の気配を感じないので何処かに出掛けたのだろう。 流石に酷使された身体は所々痛いが、不思議なモノで安心すると人間ちゃんと腹が減るのだ。 ゆっくりと男のベッドから起き上がると俺の周りには使われた玩具達がバラバラと散乱していた。 俺は片手でそれらを退かし、ベッド下に置いてある籠に放り込んでいく。 よくこんなもの買い揃えたものだとバイブ全体に繊毛突起がついたものや、本体に無数の返しのついたディルドなどを見て思う。 この玩具達の助けもあって、男の言うように俺の孔はすっかり縦に割れて男の身ながらすっかりご主人様専用のメスになっている。 自室に戻り適当な服に着替える前に肩に一応湿布を貼った。 洗面台で顔を確認すると、服で見えない部分にしか痕がついていなかったので首輪を外して外に出る。 時間は気にして居なかったが、最寄りのスーパーまでのんびり歩いていくと夕方なのか公園で子供が遊んでいるが親が迎えに来ているのを目撃してなんとも言えない気分になった。 今でこそ男との関係を諦めている俺だったが、最初の頃は抵抗して痛い思いも沢山したし、あの男が親代わりなんだと思うと逃げ出したくてよく公園でぼんやりしていた事もあったがすぐに捕まり、そのあとみっちりと躾と言う名の調教を受けるでそんな事もいつしかしなくなっていた。 「いらっしゃいませ~」 スーパーの入り口で籠を取って中に入ると、店員の声が出迎えてくれてそれだけで俺はほっとした。 この2日間男以外の人間を見ていなかったので、他人を見るだけでほっとしている自分が居る。 身体が痛いのでゆっくりとしか歩けないがカートを押すことにしたので目についた野菜や肉や魚なんかを籠に入れていく。 一応持って帰れる量にしようとは思ったが、冷蔵庫の中身は多分男が全て食いつくしてしまっただろうから動けるうちに色々準備しておかねばならない。 「あれ?高橋くん?」 「え…」 後ろから不意に呼ばれ、思わず振り返ってしまったがそこには佐藤が立っていた。 傷などは服で隠せているが、顔の傷はまだ治っていないし、そもそも学校も休んで居たのであまり学校の知り合いには会いたくなかった。 今は一応顔の怪我を隠す為にマスクをしていたので目元しか見えないであろう。 マスクをしてきて本当によかったと感じる。 「買い物してるの?」 「あ、あぁ。風邪ひいて休んでて、今家に誰も居ないから食べ物買いに来たんだ」 「えっ!学校休んでたの?クラス遠いから気が付かなかった…体調大丈夫?」 「なんとか…」 つい余計なことを喋ってしまったと反省するも、心配げな声をかけられこちらが困ってしまった。 なんとかその場は大丈夫と言って別れたが、ちょうと帰る所だったのか心配そうに此方を何度も振り返っていたのが申し訳ない。 俺はため息をついて残りの買い物を済ませると男から預かっているカードで支払いをして足早にスーパーを後にしようとした。 「高橋送ってくよ!」 「さ、佐藤…」 スーパーを出ると待っててくれていたのか佐藤が駆け寄ってきてくれる。 流石に待っているとは思わず驚いた声が出た。 そこには佐藤の母親らしき女性も立っておりこちらに笑顔を向けている。 俺が困って動けないで居ると、佐藤の母親がちかよってきた。 「息子から話は聞いてるわ。体調が悪いのに外に出て大丈夫なの?」 「えぇ。はい…」 「乗って。今日こそ家まで送るよ!」 「でも」 「遠慮しなくていいのよ?おばさんが送っていくわ」 にこにこと話す女性はやはり佐藤に似ていて優しそうな雰囲気だった。 俺が何とも言えずに棒立ちしていると、佐藤が優しく手を握ってくる。 そのまま手を引かれ車の側まで誘導されると、佐藤の母親が優しく微笑んでくれた。 一瞬他人からの優しさに涙が溢れそうになったが、ぐっと堪えお礼を言って車に乗せてもらう事にした。 あまり強く断るのも悪い気がしたからだった。 一応最寄りの公園で降ろしてもらう。 家まで送ると佐藤も佐藤の母親も言ってくれたが、誰に見られているか分からないので丁寧にお礼を言って車を降りる。 「週明けにね!」 「わざわざありがとう。それに、お母さんもありがとうございました」 俺が頭を下げると、気にしないでねと明るく言われた。 車の中では返してもらったタオルの話をされて佐藤は恥ずかしそうにしていて、少し言い合いもしていたが母親とのやり取りとはこんなに穏やかなんだなと感じた。 名残惜しいが手を振って公園で別れ、俺は買い物袋を揺らしながらゆっくりと家に帰る。 「はぁ…」 家に帰ると空気が籠っていて独特な臭いが家に充満していた。 とりあえず荷物を台所に置くために家に入って空気の入れ換えの為にそこらじゅうの窓を開ける。 そして男とのベッドルームに行ってベッドからシーツや枕カバーを引き剥がし洗濯機に放り込む。 籠に放り込んだ玩具達を風呂場に持っていき洗面台で専用の洗剤で水洗いして風呂場に干しておく。 リビングに行くと男が食い荒らしたファストフードの包み紙や箱をごみ袋に突っ込んでビールの缶を拾ってシンクへ数回に分けて持っていって缶を洗う。 コードレスの掃除機で掃除機をかけてやっと俺はソファーに腰をおろした。 ドラム式の洗濯機は乾燥もしてくれるので俺は少し息を吐いて天井を眺める。 この物件はトイレが2つあるし、1つは和式トイレなのでリフォームが必要らしい。 男のそんな言葉を思い出し、大きくため息をついた。 「さぁ。帰ってくる前に料理しておかないと…」 俺はソファーから立ち上がって料理を開始する。 結果から言うと、ベッドのシーツも枕カバーも変えて料理のストックもできたのに男はこの日帰ってこなかった。 最近男の母親からの呼び出しが頻繁になってきている。 嫌な予感がするのだが、俺にはどうすることもできない。 携帯を確認すると男から今日は帰れないからオナニーをしている動画を送る様にというメッセージを受け取ったが男が居ないと言うだけで嬉しかった。 「んっ、んっ…あぅ」 ふと自分を見下ろしてみると、家でも服を着たままだったのに気が付いたがこれが本来の姿なのだと思い至る。 しかしオナニー動画を送る様になんて命令されたのは初めてではないだろうか。 常に男は家に居るのでそんな事も無かったが、仕方がないので携帯用の三脚をベッドヘッドに固定して服を脱いで首に馴染みの赤い犬用の首輪をはめる。 やはり服を脱ぐと所々鬱血痕ができているのが見えた。 気にせず俺は風呂場に行って乾かしておいた玩具を1つとバスタオルを数枚持ってベッドルームに戻る。 ベッドの上にバスタオルを2枚重ねて敷いてから玩具にローションを垂らして腹の中へゆっくり玩具を納めた。 ぐぷぷぷっと空気を含んだ音と共に胎内へ飲み込まれていく玩具の底を押して全てを身体の中に納めるとふぅと大きく息を吐く。 後ろを向いて携帯の方へ尻を上げて玩具をゆっくりと動かす。 ぐっぷぐっぷとローションの泡立たせながら玩具を抜き差しする音があがる。 「んっ、んぉっ!あ゛っ、い゛ぐっ」 無意識にどんどん玩具を動かす速度があがる。 一人でも絶頂を迎えることができて、絶頂した瞬間目の前に火花が散って玩具から手を離してしまった。 当然膣圧で玩具は押し出され、腰が無意識にカクカクと腰が動いてしまってはいるがぶぽっと下品な音を立てて胎内から抜け落ちる。 ぴゅっぴゅっとバスタオルに精液か飛び散り、ふぅふぅと息を整えてから録画を停止させて男に動画を送信した。 流石にもう眠かったがバスタオルを洗濯機に入れる為に起き上がる。 今日は男も居ないので自分の部屋で寝ようと思いながら歩く。 洗濯機に汚れ物を入れてスイッチ押した。 「ふぁぁ」 大きな欠伸が出たので、俺は久々に自室に戻る。 ここで生活を一切していないので机とベッドしかない殺風景な部屋だ。 俺はベッドに倒れこむとすぐに眠りの世界に落ちていく。

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