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第53話
「やっぱりお外はスリルがあるね」
「んんんんっ」
男に口を押さえつけられ、揺さぶられると車がギシギシと音を立てて揺れる。
今日は大型のショッピングモールに来ていて、立体駐車場の車の少ない階の片隅に駐車した男の車の中で犯されていた。
狭い場所で男が腰を打ち付けてくるので、バスンバスンと鈍い音がしている。
後部座席のシートに膝立ちで後ろから男に覆い被さられ、男とシートに挟まれ苦しい。
「己咲は見られた方がよかったよね?」
「そんな…ことは…」
「想像したらきゅうきゅう締め付けてきてるよ。でも、見られたら困るのおじさんだから我慢ね?」
「ちくびっ…んっ!んっ!」
「ほら中出しするぞっ」
「あっ!あぁぁ」
バックで駐車している為俺から見えるのは車の背後の壁だし、右側も壁だ。
左側にも車は見えないが、外から聞こえる音がショッピングモールのBGMなので車の中の熱気が異質に感じる。
男に言われた通り、いつ他の車が来て見られるかもしれないと言う恐怖に男を締め付けてしまったのを男は俺が見られたいからと勘違いした様だ。
後ろから乳首をピアスごとくりくりと捻る様に刺激されて腰が動いてしまう。
気をよくした男はピアスを引っ張りながら、腹の奥に精液をぶちまけてくる。
「こぼれない様にアナルビーズ入れるぞ」
「やっ…まって!ひぅ」
「ポコポコが気持ちいいよな。これからお友達と会うのにスケベなアナがアナルビーズを堪能ちゃってるぞ」
「いっ!」
「ははは。アナルビーズ動かないやつなの忘れてた。己咲の孔ゆるゆるだから、ローター位入るよな」
わざとゆっくりアナルビーズの玉を押し込んできていたが、急に孔の淵に痛みが走る。
ぎゅっとシートを握っていると、アナルビーズの隙間から何かを挿入したらしい。
男の楽しそうな声でローターだと知らされた。
「あっ!あっあぁぁ」
「うん。ローター動くし、前立腺に当たるようにしておいたからお友達と合流してからもたまに動かすぞ。声我慢しろよ?」
「うぐぐぐぐ」
「あ!こらっ!嬉ションして!シートにペットシーツ敷いてなかったら汚れちゃうところだったでしょ!」
「ごめ…ごめんなひゃっ!ひっひぃ!」
「普通にパンツ履かせてあげようと思ったのに、オムツ履かなきゃだな。これならお友達の前で嬉ションしても安心だぞ」
ローターを動かされたらしく、腹の中で揺れていたのだが急に脳天に殴られた様な衝撃が走る。
足ががくがくと震えバシャバシャと水音がしたと思った頃には既に遅く、尻を叩かれた。
シートには男が言う様にペットシーツが引かれており、その上に透明な液体が飛び散っている。
再び痛みがはしり、もう1個ローターを胎内に埋め込まれた。
それからオムツを取り付けられ太股にローターのコントローラを固定するためのバンドをつけられる。
バンドにコントローラを挟むと、リモコンを取り出してカチカチとメモリをあげた。
胎内からグムムムムとくぐもった大きな音がして、すぐに振動が止まる。
「さ、そろそろ待ち合わせの時間でしょ?遅れたら大変だ」
服を整えられ、ふらつく身体を支えられながら車からおろされる。
エレベーターを待っている間も服の裾から手を入れられ乳首をまさぐられていたし、エレベーターに乗ってからも人が乗ってくるまでは内腿を撫でられていた。
目的階に着くと、連絡通路で先に行くように言われやっと男から一時的に解放される。
「今日は誘ってくれてありがとう!」
「こちらこそ。付き合ってくれてありがとう」
待ち合わせ場所に到着して、何とか身体の熱を冷まそうと深呼吸をして待っていたらこちらに気が付いた佐藤が小走りでやってきた。
別に時間には少し余裕が有るのにその仕草が小動物みたいでかわいらしい。
挨拶を交わすと少し照れ臭くて自然とふふふとお互いから笑い声が漏れる。
「そのチョーカー?大人っぽくてカッコいいね!」
「あ、ありがとう」
佐藤に褒められたが、俺は内心複雑な気分だった。
褒められたチョーカーと言うのは男が新たに買ってきた細身の首輪だったからだ。
普段は大型犬が着けるような太い首輪を着けさせられているが佐藤と出掛ける事になってから男が張り切って買ってきていて、今日着けるようにと車の中でいつもの首輪と入れ換えられた。
男に佐藤と仲良くなる様に言われてから最初は抵抗してみたがどこから調べたのか佐藤が見たいと言っていたらしい映画のチケットまで用意されてしまってはどうしようもない。
先日のお礼だと映画に誘えば嬉しいと快諾した佐藤に罪悪感を感じながらも俺は密かに今日を楽しみにしていた。
しかし、朝支度をしていたら男に羞恥心を高める為だと服の下にはマイクロビキニを着せられ、乳首にはいつもの目立たないバータイプではなく下手すると服の上からでも浮き出てしまうリングタイプのピアスを装着させられた。
そして車で送っていくと言い出し待ち合わせ時間直前まで散々犯されていたのだ。
そんな俺を少し離れた所からいつの間に購入したのか飲み物を片手にニヤニヤとした顔で男が見ているのが見える。
「高橋くんどれにする?」
「ん?えっと…」
俺は目の端に男をとらえつつ、警戒していると佐藤に声をかけられた。
男はポップコーンとドリンクが付いたチケットを取っていたので佐藤はメニューを見ながらポップコーンのフレーバーを真剣に悩んでいる。
平静を装いメニューを見ていると微弱だがローターが動き出した。
まだ弱い動きなので、腹に力を入れて音を誤魔化す。
先程まで車の中でまで犯されていた身体はすぐに快楽を拾ってしまって額にうっすらと汗が滲んでくる
。
「高橋くん決まった?」
「え、あっ、うん」
顔に出さない様に心がけつつお互いに注文をして商品を受け取ると、一応先にトイレに行っておこうという話しになった。
飲み物等を持っているので交代に行こうという話しになった。
先に佐藤がトイレに行って、戻って来たところで一応俺もトイレに向かうのに歩いて行くとトイレ付近に男が待っている。
誰に見られているとも分からないのでお互いに他人のふりをしつつトイレに入る。
トイレの中に人が居ないのをいいことに個室に連れ込まれた。
「んむぁ」
「ほら舌出せ」
男に身体を密着させられたかと思うと顔が近付いてきてディープキスされる。
最初は舌を差し込んで来て咥内を舐められたが、舌を出す様に言われおずおずと舌を出すと口に含まれた。
くちゃぐちゃと口の中を掻き回される音に身体が反応してしまう。
「お友達が待ってるのに、おじさんとまったりキスしてていいの?」
「あぅ…ご、ご主人様がトイレに連れ込んだんですよ」
「お友達を待たせちゃいけないから後でね」
「んっ!」
服の下から手を入れられ胸をふにふにと揉まれながら男が耳元で囁いた言葉に抗議すると、乳首のリングを引っ張ってからすっと身体を離された。
何がしたかったのかなんて理解ができないが、個室から出て急いで佐藤のところに戻る。
佐藤は相変わらず俺を見付けるとにこりと笑った。
普通に佐藤と来たかったなんて思いながらも、時間を見るともうすぐ上映時間になる。
中に入ろうかと佐藤と話している間に男を見失ってしまった。
「なかなかポップコーンなんて食べないから、食べきれるかなぁ」
「持って帰れるって書いてあったよ」
「えっ!どこに?」
「売店のところに書いてあったよ。上映後袋をお渡しできますって」
「うわー。見てなかった」
館内に入って指定の座席で上映を待っている間、佐藤と他愛ない話しをする。
ポップコーンの話から始まって、今回の映画はシリーズ物らしく前作の話しや、好きな食べ物の話しをした。
男に引き取られてから食事を楽しいとか美味しいなんて感じたことが無かったので、好きな食べ物の話では適当に合わせておいた。
俺にとっての食事とは死なない為に摂取するものでしかない。
ましてや男にわざわざ食べさせられないと自由に食事なんてさせてもらえないし、あんなドロドロになった流動食みたいなゴミは食事とは到底言えないだろう。
話しながらそう考えていたら周りが暗くなった。
両親が亡くなる前に来たことはあったが、昔過ぎて映画館ってこんなに音が大きいなんて事を忘れていた。
両親とは何を観に行ったんだったんだっけとスクリーンをぼんやり眺めながら思い出していたら腹の中の器具が震え出した。
ここまでくると呆れてしまう。
男の性欲は衰えるどころか更に増している気がする。
だから佐藤を俺の予備にしたいと言い出したのだろうが、人のことを散々玩具にしておきながら予備とは何だ。
「ふぅっ!」
急に周りの音が大きくなったタイミングで腹の中の振動が大きくなった。
その刺激に考えていた事が全て弾け飛んだ。
持っていたトレーを落とさなかったのは我ながら良く耐えたと思う。
足が開きそうになるのを耐えて下唇を噛んで声を我慢する。
すぐに振動は止まったが、アクション映画だからかやたらと爆発のシーンが多い。
爆発シーンの度にローターが最大値で振動する。
しかも2つともバラバラに動くので何度目か分からない爆破のシーンで足が前にピンっとのびて絶頂を迎えた。
ペニスから潮を吹いているのを下半身の独特の熱気で感じる。
絶頂しているのを悟られて居ないかと横目で隣を見るが、スクリーンを真剣に見ていた。
安心したのもつかの間、振動が止まっても余韻で身体が震える。
なんとか口許を押さえて荒い息を隠すが、肩が上下するのまでは隠せない。
俺は映画の感想なんて求められたら答えられるだろうかと息を整えながら考えていた。
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