5 / 100
第5話
携帯!
僕は携帯電話を探して手に取ると誠也ではなくて先輩に電話をした。
「先輩、僕は・・・」
『忙しいんだけど何?』
冷たい声で僕に聞いてくる先輩。
そうだよ。
誠也はこんなにも冷たい声で僕に話したりしない。
いつも優しく話してくれてたじゃないか!
「僕、先輩ともう会えません。だから今度の休みも会いに行きません」
『うん、いいよ。他に良い子いるからお前じゃなくてもいい』
「えっ?」
僕の声が先輩に聞こえたかは分からないがそう言うとすぐに通話を切られた。
僕は・・・先輩の何?
好きとは言ってもらえてたが愛してるとかは言われていなかった。
きっと僕は先輩の欲を満たす道具にしか過ぎなかったんだ。
親友を怒らせてまで何をしているんだよ。
先輩の欲の吐け口だと知っていたけど期待していた。
僕だけは他の子達とは違って特別なんだと信じたかった。
そう特別だって信じ込まないと僕の何かが壊れてしまいそうだったから・・・。
ともだちにシェアしよう!