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第7話
誠也が笑うと何故か僕も嬉しくなるんだ。
失いかけて誠也の存在が先輩よりも大きいと気づかされてしまった。
なんだろ?
緊張してきたというかドキドキしてきちゃったんだけど誠也は親友だからなんだか不思議な感覚だ。
「亜樹?聞いてるのか?」
ベッドを背もたれにして2人で座っていたけれど気がつくと目の前に誠也の顔があった。
ドクンっ!
心臓が跳ねる。
先輩にで会った時以上に僕の鼓動は激しく鳴る。
「大丈夫か?」
誠也が心配そうな顔をして僕の頬に触れようと腕を伸ばしてくる。
触れて欲しい。
誠也にギュッとしてもらいたい。
親友にこんな事を思う僕はおかしいのだろうか?
「亜樹?」
「だ、大丈夫だから誠也」
小さく今にも消えそうな声で答えた。
これ以上、誠也を意識してはダメだと思えば思うほど僕の態度はおかしくなっていった。
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