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第30話
暫く、話し声がしていたがフッと止んで教室のドアが開いた。
出て来たのは誠也ではなくて話していた相手だった。
僕に気づいたけれど無視をして歩いて行ってしまった。
話終わったんだ。
中で誠也が待っているのは分かっているがさっきの会話で僕は泣いてしまっているから中に入れない。
どうしたらいいのかな?
「大丈夫か?」
下を向いて立ち尽くしていると頭の上から誠也の心配そうな声が聞こえて来た。
けれど頭を上げれないし顔を見られたくない。
「泣いてるのか?亜樹」
どうして気づくの?
僕なんかに気を使うんなら好きな相手に使えばいいのに誠也。
そんなに優しくされたら僕は誠也を諦めきれなくなるよ。
好きになっちゃうよ。
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