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第44話
「分かりきってる事を言うな亜樹」
「でも・・・」
誠也は僕の身体を起こすと僕を強く抱きしめ僕の肩に額を乗せた。
「誠也?」
「お前な、俺がどれほど前からお前を好きか分かるか?たまに一緒に風呂入ったりしただろ?」
「僕の家に泊まりに来たりして母さんに一緒に入るよう言われたりした時?」
「そうだ。あの時には、お前を好きで欲情を抑えるのにどれだけ我慢したと思ってんだよ。だから、今更ガタガタ言うな亜樹」
「ちょっ!」
僕はまたベッドへと誠也に押し倒された。
下から見る誠也の姿はいつもの優しい感じは消え去りまるで飢えた獣のようだ。
今にも僕は食べられてしまうんじゃないかと錯覚を起こすくらいの鋭い眼差しをしている。
けれど恐怖は感じない。
何故だろう?
荒々しい誠也を見ていると僕はカッコイイと思いドキドキしてしまう。
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