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第50話

まるで僕が繊細なガラス細工かのように誠也は優しく触れてキスをしてくれた。 強く抱きしめ感情をブツけるのではなくて本当に大切なんだと思わせてくれる誠也。 誠也を好きになって不安になったけれど誠也はそれを吹き飛ばしてくれる。 言葉や態度で示してくれる。 「亜樹が欲しい」 瞳の輝きだけはギラギラとした感じだけれどその奥にある光は暖かさを感じる。 僕は何も言わずに微笑み頷いた。 「ありがとう、ずっと大切にするからな亜樹」 その言葉にその表情に誠也の真剣な思いが伝わってくる。 「うん、ありがとう。好きになってくれて誠也。大好きだよ」 「おまっ、人が我慢してるのに煽るような事言うなよ。めちゃくちゃにされたいか亜樹」 「誠也にならいいよ」 「どうなっても知らないからな亜樹。覚悟しろよ」 「うん」 僕の返事と同じタイミングで誠也の唇で僕の唇は塞がれた。

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