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第65話

長い廊下を歩き二階に繋がる階段を登るとまたずっと廊下を歩いた。 何メートルあるんだろ? 階段から先輩の部屋に行くまでに凄く長い時間がかかったように思えた。 部屋に着くと先輩は僕を招き入れてくれた。 僕は部屋に入るなり驚いて立ち尽くしてしまった。 するとドアを閉めた先輩が近寄ってきて僕の手を引きソファへ座らせた。 「何もしないさ、家だからな警戒しなくていい亜樹」 「えっと・・部屋に驚いてました」 「部屋か・・居心地悪い」 小さく呟くと先輩は黙り込んでしまった。 相変わらず綺麗な顔立ちをしているけれどもう僕は先輩を好きじゃないから何も感じない。 ただ綺麗な男性がそこに座っているだけだ。

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