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第71話

それから1時間後に僕は先輩から解放された。 何もなくただ普通に色んな話をしただけだったが以前のような先輩はそこには居なくて優しい先輩だった。 あの頃も今みたいにしていてくれたら僕は先輩から離れなかったのかな? 「何考えてんだ!」 「亜樹?」 誠也の家の前で大きな声を出していると背後から僕の名前を呼ぶ誠也の声がする。 振り返ると息を切らして立っている誠也がいた。 「誠也!大丈夫なの?」 「大丈夫なのかは亜樹だ!どこ行ってたんだよ。心配して探してたんだぞ!」 「あっ、ごめんなさい」 「よかった・・・」 「うわっ!誠也」 誠也がフラついたかと思うと僕に寄りかかるように倒れ込んできた。 誠也の身体が熱い。 熱があるのに僕を探してくれてたんだ。 ごめん、誠也。

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