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第74話

「亜樹?」 「う〜うん、まだ眠い」 「亜樹、起きないと襲うぞ」 「起きないと?」 「いいんだな、亜樹」 夢の中で誠也が僕を起こしてくれているのが嬉しい。 凄く幸せ! でも、やけにリアルなんだよ。 僕の髪を触ったり頭を撫でたりしてるんだよ夢って触られてるとか分からないよね。 それに頬に暖かな物を感じる。 柔らかくて凄く幸せな気持ちになるんだ。 「本気で襲うぞ」 「誠也にならいいよ」 「参ったなぁ〜。本当に起きてくれよ亜樹」 「キスしてくれたら起きるよ」 夢の中だからして欲しい事が素直に言えちゃうんだ。 「たくさん、たくさんしてくれたら起きる」 「知らないからな亜樹。煽ったのは亜樹だからな覚悟しろよ」 そう言うと僕の唇に暖かな誠也の唇が当てられた。

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