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第90話

「別れたくない」 声がかすれて上手く話せないけれど僕は誠也と別れたくないよ。 「無理だろ?この先さ、どうすんだよ。別れるなら早い方がいいと思う。お前も無理して俺に合わせた進路にしなくて済むんだ」 「頑張るから!」 「ごめん。ウザイ」 誠也は無表情で冷たい目をして僕を見ていた。 いつも向けてくれる暖かく包み込むような目ではなく冷たくてもう僕を好きじゃないんだと分かるようなそんな感じだった。 「じゃあ、親友には?」 「親友も無理だわ」 親友までダメだと言われたら僕はどうしたらいいの? 本当にもう誠也のそばにいれないの? 誠也。

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