「目を見せてみろ」 「大丈夫です！痛くありませんから触れないで下さい！」 触られたくないと思ったら自分のものとは思えない位に大きな声が出た。 先輩も僕の声に驚き触れようとした手の動きを止めた。 「亜樹？何もしない。心配しただけだ」 「すみません。本当に大丈夫なんで触らないで下さい。」 「わかった。そんなに拒まないで欲しい」 先輩は少し寂しそうに笑った。 いつもの冷静で冷たい目をして話してくる先輩なのにどうしてそんな寂しそうな顔をするんですか？ 「あの、何か用ですか？」 どんなに先輩が僕に優しくしてもあの頃された事は覚えているんだ。 だからもう会いたくないんだ。