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第95話
あれからどれくらい経ったかな?
先輩はいつも車で迎えに来ていた人が時間だからと告げに来て僕は無理矢理に家まで送られてしまった。
家に入るまでは帰らないとか言うから僕は仕方なく家の中に入った。
けれど家にはまだ誰も居なかったから制服から私服に着替えてまたあの公園のベンチに座りに来ていた。
家に居たら誠也との過ごした日々がこの公園よりも鮮明に蘇って来てしまう。
この街には誠也との過ごした日々が詰まっているんだ。
このベンチにしてもそうだ。
もう逃げ出したい。
どこか遠くの誰も僕を知らない所に行って静かに暮らしたい。
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