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第97話

僕を力強く抱きしめる腕、泣きそうな声で話す誠也。 「全部、話すから亜樹。ちゃんと話しを聞いてくれ!」 腕から逃れようと暴れている僕を更に力強く抱きしめながら言う誠也。 何を伝えたいの? 全部話すとかどうせまた別れ話になるに決まってるんだ。 「亜樹、好きだ」 好き? 別れたのに僕を好きと言うの誠也。 分からない。 寝起きの頭だと拒絶する事しか考えられないけれど話しを聞いてみても大丈夫なの? 「お願いだから、話しを聞いてくれ亜樹」 「わかった」 あまりにも必死だから僕は反射的にそう答えていた。 また傷つくのにどうして僕は・・。

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