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be violated 4

そんな俺の姿をジロジロ眺めてから、柚季は口の端を吊り上げた。 「似合ってるぜ、そのカッコ」 「……」 「このまま監禁しちゃおっかな」 俺は絶句した。 軽い口調でなんて事を言うのだろう。 「俺との関係切るなんて言わねえよな?」 「…これ、外して…」 「ハルの返答次第だなー。どうする?」 「そんなの、卑怯だ」 「何とでも言えよ。俺ハルの事離すつもりねえから」 「俺に何の恨みがあるんだよ…」 「恨み?何言ってんの?お前、自分が他人からどう見られてるかもっとちゃんと知った方がいいんじゃね」 恨みじゃなきゃ何だって言うのだ。セックスの度に酷い言葉を投げつけられて、淫乱だの変態だのと俺を軽蔑して、挙げ句にこんな風に縛り付けてレイプして、それでも尚飽きたらず俺に固執してる事に、他にどんな理由があるって言うんだ。 「で、どうすんの?セフレ続ける?それともこのまま俺に監禁されたい?」 「…そんな風に人を従わせて、お前はそれで満足なのか?」 「満足な訳ないじゃん。俺だって、したくてこんな事してるんじゃねえから」 「じゃあもうやめてくれ」 「やだね」 「どうして…」 「さっきも言っただろ。お前を離すつもりないって。言っとくけど俺がこうなったのはお前のせいだから。俺をここまで狂わせたお前には他に選択肢はねえの。この恥ずかしいカッコやめたかったら、二度と俺を拒絶すんな」 なんて言い種だろう。俺が一体何をしたと言うのだ。 「勝手なのはお前の方だ」 「何とでも言え。で、どーすんだよ」 「外せ」 「それは、俺の事拒否しないって事でいーんだよな?」 「………」 「何も言わねえなら、お前ずっとこのカッコだぞ」 「分かったから、外せ」 「分かったってえのは、俺とセフレ関係続けるって事でいーんだな?」 「………」 「またここにぶちこまれたい?ドMのハルは、監禁とレイプをご所望か?」 悔しい。 「俺はどっちでもいーんだぜ?」 悔しくて噛み締めた歯がギリッと鳴った。どっちにしても俺は柚季から逃れられなくて、好きにされるって事じゃないか。 もう嫌だ。何もかもが嫌だ。もうこんな屈辱的な格好、1分だってしていたくない。 「外せよ!セフレでも何でもいいから、外せ!」 「いーぜ」 満足そうに答えた柚季が、俺の足からガムテープをビリビリと剥いでいく。本当に文字通りのグルグル巻きににされていて、両足が自由になった時には傍らにガムテープの山が出来ていた。 「そう言えばさ」 今度は俺の腕のテープを外しながら柚季が言った。 「こないだ俺紫音に会ったんだけど」 「…どういう意味だよ」 「そのまんまの意味。お前の相手、あの青木紫音だろ?こないだ会ったんだよ、パーティーで」 俺は一瞬頭の中が真っ白になった。でも、考えてみたら知られていても何らおかしくはない。だってこいつは中谷先生と繋がっているのだから。そう言えば、紫音と別れた事だって俺はこいつに一切話していなかったのに、知っている風だった。きっとそれだって中谷先生から聞いて知っていたんだ。 「紫音に変な事してないだろうな!」 「してねえよ。あ、でもちょっとお話はしたぜ?ハルの名前は出してないけど、紫音にお前の話ししたんだ。そしたらさ、何て言ったと思う?」 「………」 「『好きな男がいるのに、へーきで他の男と寝る女なんて絶対嫌だ』って。なあ、ハル振られちったな。本当のお前の姿知ったら、紫音はもうお前の事捨てるだろうな」 知ってる。知ってるよそんな事。 それでも、視界が滲みそうになった。 まるで紫音本人から直接そう言われたみたいな衝撃だったのだ。紫音がそう言ったのだから、直接言われた様な物だ。 「可哀想に。でも、俺は紫音みたいに頭固くないから、本命の紫音とエッチするのだけは許してやるぜ?どーせ近い内に振られるんだろうから。そん時は、もうハルの身体は俺だけのな」 ビッと、ガムテープが全て腕からなくなって、腕も足も全部自分の意思で動かせるのに、手足を抱えてその場に蹲る事しか出来ない。 逃げ出す気力も、傲慢な事を言う柚季を睨む気力も、最早残っていなかった。

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