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あてつけ
当ても定まらない道のり、24時回ってる。
道の駅に一人佇む姿が目に付いた。男の子?
雨が急にどしゃ降りになったのに傘も差さない…。
俺は備えてた傘を持ち。店の中に入る新しい煙草とコーヒーを手に出るとフラフラしながら車道に
「危ねぇ!」
腕を掴み引き寄せる
「……ッ!バッカやろ!」
パシッと何気に頬を叩く。男はフラッとしながら倒れ込む。
仕方ない車に乗せ競馬場に戻った。
男は気を失ったままだから、抱き上げ自室に戻りベッドに寝かせた。
今日は休みだからまぁいいかと…。なんか疲れた。ベッドの下に寝袋を置きそこで眠った。
癖で4時には最低でも目が覚める。男はゆっくり眠ってる。サウナは23時に閉まって4時には開く。
自室には風呂はないが下の事務所にはちゃんと備わってる。
休みと言えど、体重を増やす訳には行かない。
厩舎を一走して汗をかいてから、着替えを取りに自室に行くと男は目が覚めていた。
「俺は沢田拓美…。お前名前は?」
「……俺、林良樹って言います。すいません。御迷惑かけ…。」
パシンッと頬を叩く。
「お前死にたいのかよ!あんなどしゃ降りでフラフラして車道に行くなんて!」
「……ッ、ごめ……なさい。」
ス~っと流れる涙にドキッ?んっなんで?
良く見ると片山に似ている。少し年上?涙に弱い俺はそっと引き寄せ抱き締める。
「もぉ…良い…から、泣くなよ」
髪を優しく撫で下ろす。少しして汗臭いのに気づいて
「俺…サウナ行って来るけど…。行く?」
良樹は涙を拭き頷く。
「着替えはん~っと新しいので良いか。ん~でも…俺のではデカイかもなぁ、行きしなに売店が有るからとそこで揃えるか?」
「……あ……の俺今金無いんで」
「……大丈夫、俺が払うよ。気にすんなって」
二人で売店に行き購入してからサウナに行く。歩きながら良樹が話す。
「何から何までありがとうございます。
俺昨日は付き合ってた奴に振られてどうかしてた。」
「……言いたくない話しはしない方が良いよ…。今日は取り敢えず後で送るよ」
サウナに着き、入ると皆の目が一斉に俺達を見る?
片山にそっくりだが落ち着きのある色っぽさの良樹に皆はボ~っとしてる。
良樹は??マークが頭を走るよう。
「あの彼なんですが、関係者以外は駄目なんですか?」
とつい聞いて見た。
いやいやとばかりにニッコリ笑顔の皆・・・。
俺は肩を抱きサウナに入って行く。
なんか知らないけど……笑える。良樹は
「あの……なんですか?」
「ッ…アッハッハ……面白いわ」
「……?」
「悪い悪い。良樹がある人に似ているんだよ。
俺の大事な人なんだ…けど…ん~どこが?と言われるとハッキリは言えないけどな…」
「……大事な人……ですか…。」
「あぁ、俺はね♪告ったけど…。脈なしだよ。
既に手遅れ……恋人が居るんだよ。
昨日やってたんだよ。わかっては居るけどさァ…やっぱむしゃくしゃするんだよな…で昨日たまたまお前を見つけたと言う訳…。
だけどあの人しか俺は要らないんだ。まぁ気にすんな」
良樹は黙ったまま頷く。
ガチャっとドアが開く音がして頭を上げると片山の姿…。二人でお互いを見ている。ジィ~っと。
俺は良樹を側に抱き寄せ場所を開ける。
片山は何故か何処か冷ややかな目で俺を見る。
「拓美、関係者以外はここに入れるなよ!」
「………きちんと皆に聞いて了解得てますよ、先輩」
ムッとしている片山。少し離れて横になる
良樹は直ぐ気づいたみたいだ。この人だ。
俺にピッタリ寄り添いわざとなのか少し大きな声で話す
「拓美さん、俺有給休暇で1週間程休みだから、側に居て良いですか?」
「えっ……。俺仕事が有るから」
「邪魔しないから、お願い」
小悪魔的な笑みで俺にウィンクをする。
つい可愛いっと思ってしまった。
「ん~仕方ないなぁ。その代わりこれ付きで良い?チュッ!」
「……ンッ……」
唇を軽く重ねた。良樹はニッコリ笑顔で抱きつく!片山を触発してるのか?
当の本人は聞いてないふりを続けてる。
良樹の腰を抱きサウナを出た。良樹は
「失礼しました。」
と、俺はサウナを出てから軽く良樹の頭を叩く。コラッとばかりに…。良樹はペロッと舌を出す。備え付けのドライヤーでガシッガシッと髪を乾かしてやる。着替えを済ませ風呂場を出た。
馬が見たいとの事で厩舎に連れて行く。
調教馬場にレース前の新馬で遊んでる。
可愛い~♪♪っとニッコリ笑顔の良樹の顔にフッと自然と笑顔になる。
明らかに俺より年上思い切って
「良樹って年上だよなぁ」
「えっ……うん、今年24だよ♪拓美は?」
「俺……今年19ガキだよね。良樹にしたらさァ…。」
「見えないよ♪拓美カッコいいじゃん、男女問わずモテモテでしょ?」
「俺…はさぁ、あの人に一目惚れしてから全然、他の人は見ないんだ。
けど男の性はどうしょうもない。
でも…男はあの人だけ…。元々ホモじゃないし」
「ふ~ん、俺は男だけ……。ホモでごめんね♪でもさぁ~片山さんだっけ?
彼はバッチリホモだよ♪匂いで分かるよ」
「……そうなったのには理由があるんだよ。もう良い…。その話しはやめよ」
良樹は俺がつらそうな顔をしてるのに気づいて抱き締めて来た。
遠くでこんな俺達を見ている片山の姿…。ちっとも気づかなかった。
自室に戻り、車のカギを持ち遊びに繰り出した。ボーリング・ビリヤード・ディスコにと良樹を連れたまま23時に帰宅した。
楽しかったァと笑顔一杯の良樹。
歯を磨き良樹の願いで仕方なく一緒にベッドに入った。
自然と抱き合う形で眠った。人の暖かさに久しぶりに爆睡した。
目覚ましで、ハッと起き目覚ましを止め仕度をする。まだ眠っている良樹にそっと口づけをし静かに、
「行って来るよ♪」
と言う。後ろを振り向くと片山の姿…。ムスッと腕を組んでる。
「当て付けかよ?拓美」
「……おはようございます。先輩、何の事です?先に行きます。」
「……。拓美ィ!」
俺は無視を決めて仕事に入る。
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