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心情?変化?
車を良樹と初めて会った場所まで送る。
良樹は車を降りて運転席に回り、ありがとうと唇を重ねた。
少しだけ…道の駅で長椅子に腰を掛けタバコを吸う。
基本的に車の中では吸わない。
片山も車から降りて側に腰を掛ける……。
良樹は片山に小声で何か話してる。
直ぐ良樹を呼ぶ声に振り向く。
ガタイの良い体型の男だが、優しさのある男……良樹を抱き締める姿
「ところで何で来たんです?先輩!」
「……良いだろ……振られるのを見学しに来た」
「はァ~。性格悪いな………さてと、先輩帰りますか?」
片山は頷くとさっさと助手席に乗る。
俺は良樹に手を振り車を走らせた。
真っ直ぐ競馬場に戻り、片山は直ぐ佐藤さんに捕まった。
俺は自室へ戻り作業着に着替え、午後の作業を始めた。
遅れながらにも片山も出て来た。するとう~ん、最初の時会った白い馬体……と女の子。
加瀬さんが側に行き手話を始める。俺は無視を決めて馬を歩かせる。
佐藤さんが加瀬さんの側に行き話しをしてる。
首を振るしぐさ。それを頼み込んでる女の子
他の厩舎の人が何人か佐藤さんに混ざり始める。
嫌な予感……片山は俺の側に来て、
「拓美、亨……あっ佐藤さん何してんだ?」
「…………最初の時にあの子の馬を手伝ったんです。」
「ふ~ん、けど…。あの馬乗馬用じゃねぇの?」
「拓美ィ!」
嫌な予感的中!
俺は馬から降りて、片山に手綱を渡し少ししてから佐藤さんが片山から手綱を取り馬に跨がる。
「はぁ~あ又かよ、加瀬さん」
悪いと手を合わせる……らちが空かない。
俺は馬に跨がった瞬間立ち上がるし、尻っぱねを始める!グッと手綱を引き下げると大人しくなった。
女の子の側に行き、手を取る……が嫌と首を振る……大丈夫と笑顔を見せると
両腕を伸ばしたからフワッと持ち上げ前に抱き締める形に乗せた。加瀬さんに
「毎度だとらちが空かないから最後で良いですか?あとこのまま連れて行きます。障害物お願い出来ますか?」
「ごめんな…。長谷川のテキに話しておくわ」
手話で話してる二人…。周りの中森さん含む女性厩務員の目が怖いな…。
調教馬場に向かう。加瀬さんがOK を出すまで二人乗りのまま軽く走る。
OK を出されると本来なら二人乗りの障害は禁止だが仕方ないじゃんっと、支えながら飛越をする。
何度かして俺は降りて彼女に教える……。
バーを倒すと彼女が落ちそうになるがサッと体制を直させる。
少しすると彼女から俺に変わる。
聞こえないから指を立て、指を折りながら1・2・3で手綱を引き上げるとフワッと飛び越えると教える。
そうこうしている内にまたまたギャラリーが……。
片山と佐藤さんの姿まで入っている。
加瀬さんにバーがどの位跳べるか?の話しをして試す事にした。
80センチ……クリア次、100……クリアとさすがにこれは無理だろうが150……おぉ♪クリアした。楽しくなった。
周りの人だかりは手を叩く!なんか恥ずかしくなってしまった。
馬の首をポンポンと軽く叩くと鼻を寄せ甘えてくる軽く鼻にチュッ!っと。
加瀬さんと彼女に馬を渡して厩舎に戻った。片山は直ぐ隣に来て
「拓美ィ凄いなァ~。乗馬も出来るんだ?」
「………身体動かすスポーツが好きですからね~、先輩もどうですか?」
「俺ェ~?無理無理!馬の高さだけでも結構大変なんだよ!」
ニッコリ笑顔の片山になんだろなァ?と、佐藤さんは片山を呼ぶが…片山は何気に無視をしてる?
俺は厩舎の仕事を終えてフッと時計を見ると17時、自炊を始めた。
今日はハンバーグを作り昼間のサラダを盛っている所で、ス~っと脇から手が伸び取られた。
片山の姿…。手には取られたハンバーグ口を開けあ~んっと放り込まれた。
「えェっ?俺のォ~!」
「……ん~美味しい♪」
「あ~ァ~もォ、先輩返せよ!」
「………ふっんっ……ッンン」
唇を重ねた。甘い……唇を舌で割る。背中を叩かれはっとして唇を離す。
何気に気まずい……。仕方ない二人分を用意して自室のテーブルに乗せた。二人揃っていただきます!っと食べ始める。
ふっと片山は
「今朝……ごめんな。」
「………本当に勘弁して!馬上で……俺が止めなかったら大惨事だった。思い出すだけで指ってか腕が震える」
震える腕を抑えながら
「………先輩に…優馬さん…にもしかしたら、もしかするとって考えてしまうと……今回は大丈夫だったけど……っん」
片山から唇を重ねられた。すぐ背中に手をまわされ抱き締める。小さな声で
「ごめん……ありがとう」
って、手を外し食事を再開した。
(いくらキスしてもこの気持ちは届かない!叶わないよ……佐藤さんからは奪えない。恋人同士なんだし)
ごちそうさまでした。と片付けをする。
階段を登って来る音に不思議と片山は氷つくような……。?
佐藤さんの姿…。
「お疲れ様です。」
「あっあぁ、お疲れ。優馬ちょっと…。」
「………えっ……と、は……い。」
俺は着替えを持ち、サウナに向かう。
一時間は戻れないだろうなぁ~。自厩舎の人もちょうど居て、めったに来ないテキ連中も居た。俺の身体をじろじろ見る。一人のテキが…
「ヘェ~拓美って言ってたっけ?良い身体してんだな♪体重大変だろ?」
「っ……はい。けど身体動かすの好きなんで大丈夫です。」
「ふ~んそっか、彼女も油断大敵だな♪」
「ハッハッハ、居ないですよ♪今は競馬にかけてます。」
別なテキが…。
「あっ君か~長谷川さん所の娘の暴れ馬を自在に操れるって騎手」
「えっ……あっはい。」
しばらく話しをしてサウナから出た。着替えをして外に出ると加瀬さんと男の姿…。どうやら長谷川テキと。頭を下げると向こうも下げる。
「沢田君、いつも娘が急ですまない。お詫びと言ってはなんだが…次回のメインレース家の馬を乗ってくれないか?」
「えっ……あっと、テキに依頼してくれると良いんですが。俺一人の判断は出来ないです。」
「もちろんだよ!テキには話しを付ける。」
よろしくお願いします。と頭を下げ厩舎に戻った。
自室に戻るカギがかかっている?あれっ?合鍵を出して開けるとベッドがなぜかこんもりしてる?
う~ん?気のせい?テレビをつけてコーヒーを入れベッドに腰掛けると
「………っ……重……い。」
「えっ?」
布団をはぐると片山の姿…。
良く見ると頬が赤く、唇の端が切れて血の跡……。
何かがプチっと切れた。俺は部屋のドアをバタンと閉め、佐藤さんを探す…。
居た!テキと一緒に居る……俺は迷わず殴った!
片山が慌てて走って来たが間に合わなかった。
皆ビックリしてる…テキと片山は俺を引き留める。
「ハァ…ハァ…ハァ……っの野郎!」
「拓美ィ!拓美!落ち着けって!」
ハァ…ハァ…ハァ。
「……っ落ち着けるかよ!優馬をなんだと思ってんだ!」
テキは片山の姿を見て、
「……佐藤…お前か!やったのは!」
頷く。テキはあきれ果て何処かに電話を入れる、佐藤さんは何気に慌ててる
「すいません。ごめんなさいテキ、テキ!もォしないから!」
「…………。今すぐ迎えが来るから、退職届けをだせ!もォこれ以上ジョッキーを潰されちゃあ困るんだよ!優馬……悪い!嫌な思いさせたな。すまなかった。」
頭を下げるテキ。皆は片山のキズを手当てする。
薄着に気づいて俺は上着を掛ける。佐藤さんはショックを受けている。
「………優馬が……悪い!」
「んだと……っの野郎ォ!」
「だって!そうだろう?ずっとず~っと俺の優馬だったんだ!それが………別れるって許さないに決まってる!
拓美……が来たから悪い!そうっお前が優馬を……俺の優馬を……!」
片山はグーで佐藤さんを殴った。
「もォ沢山です。佐藤さん!あんたみたいな最低な人間がいるなんて!俺の同期生返せよ!あんたのせいで皆辞めたんだ!」
どうやらこの人は気になった子は食ってしまう前科持ち?
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