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愛の証

あわただしく、2週間時間がかかった。 朝仕事を終えるとテキが皆を呼ぶ。 片山にはずっと話せなかった。皆が揃った所で俺の横にテキが立つ。 「突然だが、今日付けで拓美が北海道に移動が決まった。送別会は本人の希望もあり、行わない。拓美挨拶な。」 「本当に突然ですが、ありがとうございました。長いようで短かったですが……。向かうへ行っても頑張りますので、皆さんも身体に気をつけて頑張って下さい。」 一人づつ握手をした。片山の側に来た途端に片山は目に涙を浮かべ、走って部屋に行ってしまった。テキは首を振る 挨拶を終わり自室に戻る前に片山の部屋をノックする。 ベッドに潜り泣いている。 「優馬……ごめん」 「…………ど……して……な?」 布団をはぐると顔を腕で覆う。腕を掴み身体を起こして抱き締める 「…………ッ……な……で?」 「優……馬……ご……め…ん」 泣いてる片山の唇に触れる。 「…………ッ……フッ……ンッ……ッィ……ヤッ……」 「……ィッ……」 唇を噛みつく。片山は俺の頬を叩き布団に潜る。 何も言えない。俺は部屋を出る前に 「…………優馬……さよ…なら…」 パタッとドアを閉めると何かをぶつける音。 (愛してるからこそ、こんなみっともない所を見せたくない。) 荷物をある程度送ったから、残った荷物を片付ける。 午後の作業はしないが厩舎に居ると同期生が来て少し話しをした。 自分たちにチャンスが出来たと笑いながら、けど寂しくなるなぁと話す。 自室に戻ると片山は俺の片付けている荷物を出しておおばらにしてた。 「ちょ……何してんだ?」 ピクッと1度手を止めたが、やめない。 俺は抱き締め手を止める。 「……ッ……離れ……なら……なん……好きって言うんだよ!拓美ィ……愛しッ……るって言うんだよ!」 「…………ッ……な……んでわからないだよ! 俺は優馬しか……けど、こんなんじゃ……ダメな……んだって」 抱き締める腕を強く、強く抱き締める 涙がお互いの頬を伝う。 片山は俺の腕を離し身体の向きを変えて向かい合い抱き締め唇を重ねる。 「……フンッん……ッ……浮気したらッ……殺す!」 涙は伝うけど笑顔で怖いことを言う。 荒れて居た段階で気づいてたらしい。 何も言わない俺に腹が立って居たと……。 俺はバックの内ポケットから2週間程前に購入してた四角い箱を出し片山に渡す。 片山は箱を開けて指輪とネックレス……。 先にネックレスを取り片山の首に掛けて 「俺とお揃いだよ♪……ったく……もぉ、まだ泣くの?優馬……」 「…………ッ……だっ……てェ……」 クシャクシャの優馬にキスを落とす。 時間が近づくまで抱き合う。 ……愛してる……愛してる……。

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