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母の気持ち
5日間のレースで、リーディングが10位内に登り詰めた。
レースが終わり自室に戻ると片山が待って居た。お帰りと抱き合う!
片山の携帯がなり、地元のテキから
『お疲れ優馬…、拓美大丈夫そうか?』
『お疲れ様です。ハイッ……。今日まで我が儘言ってすいませんでした。近々戻ります。俺もうかうかしてられない』
えっ……?俺は携帯を取り
『あっ……拓美です。お久しぶりです。あの先輩……』
『拓美、お前なぁ~子供じゃないんだぞ!優馬を速く帰せ!リーディングから再度復活させなきゃならんだろうが!』
『うっ……は…い。分かりました。すいません、有り難うございました』
電話を切った。しゅんッ……。クスクス笑う片山……。軽くキスをして
「拓美、テキに言った通り、俺自身もうかうかしてられないから……もぉ大丈夫だな。お前は一人ぼっちじゃないんだよ」
「……ッ……でもォ……。」
「拓美♪でもも何も無いだろう?俺は拓美の先輩……リーディング落ちて乗れなくなるとお前も辛くなるよ。だから…。俺は明日戻る……長期休み取れたらまた来るから……なっ」
頭を撫でる片山の手……。
「なら……俺が行くまでリーディングの座譲らないで!」
「……フッ……お前にも譲らないよ♪女々しい拓美にはね。速く帰って来い!」
「でも……もぉ明日に?」
「あぁ、妹さん達に会ってから戻るよ。女々しい拓美をよろしくねって」
「酷いよォ……何度も女々しいって!」
「アッハッハ。拓美ごめんね♪けど……あっちは男じゃん♪野獣じゃん♪でもォ……フッ……ンッン」
抱き締め唇を重ねた。肩に頭を乗せ
「……優馬……愛してる。」
「……うん♪俺も拓美を愛してるよ♪でもォ……今日はお前のせいであちこち痛いし、お前も疲れてるから今度会うまでお預けなっ?」
(えっ……ダブルパ~ンチ。やる気満々だったのに?)
片山は自分の荷物をまとめる。今度は俺の携帯がなる。妹から……
『お兄ちゃん、ずっと気になってる事があるから、片山さんってまだそこに居るかな?』
『えっ……あぁ、明日玲奈達に会ってから地元に戻るって聞いた。』
『あっ……ちょうど良かったぁ、お兄ちゃんはこっちに来れる?』
『……?明日は休みだから大丈夫だな。』
『なら、必ず来てね♪』
携帯を切り、急きょ一緒に行く事になった。テキに一言言って片山は挨拶をして東京に向かった。
朝の13時……東京に着いた。二人して待って居た。
何故か個室のある喫茶店に入った。四人で座ると直ぐ店員が来て飲み物のオーダーをする。
妹と義弟は片山をジッと見ている。俺は
「玲奈?用ってなんだ?」
義弟が
「義兄さん、あの」
「勉、黙って!」
ピシャッと遮る。笑ってるがなんか怖い顔!俺はタバコに手を伸ばそうとしたら片山に手を叩かれた。
「……フッ……片山さん、これを見て」
手紙?母の字が書いてある。片山は目を通す
{片山さん。拓美は凄く寂しがりの我が儘に育ってしまったの、でも……根は本当に優しいかけがえのない自慢の息子です。私はすぐに分かりましたよ、始めて見るあの子の貴方を見る顔、あぁこの子が大事な人なんだって、私は改めて片山さんによろしくお願いしますって伝えたかったけど、どうやら…間に合わないみたい、このような形でごめんなさい。貴方も私の息子です。素敵な息子よ。よろしくね。母より}
店員が飲み物を持って来た。片山は妹夫婦を見る。妹は片山の手を持ち握る。
「優馬さん、ごめんなさい。
母の手紙、呼んで知ってしまったの、最初は全然知らなかったのよ、お兄ちゃんも何も言わないし……どうしてお兄ちゃんの不調に陥ると来るんだろう?ってふみさんと謎だったの。でねっ勉がこの手紙を思い出してあっそうなんだって」
「……ッ……。」
「私は超嬉しいのよ♪だってェ……そうでしょうこ~んなイケメンの兄が二人なのよ♪お義兄さん、兄をよろしくお願いします。」
ボロボロに涙が流れ手紙を抱き締める片山の姿に妹は片山を抱き締める。
俺は何が何だかんだ、なんで優馬が泣いているの?今一呑み込めない。
妹の話しと片山の涙で何となく気づいた。認めてくれたんだって……。やっとわかった。片山の肩を抱き締める。義弟が俺を見て
「義兄さん、あの俺に沢田を名乗らせて下さい。弟が藤岡を継ぐと言ってくれました、お願いします。」
頭を下げる義弟。
俺は後継ぎは作れない、いやっ作らない。
「勉さえよければ、俺は何も言わない」
「お兄ちゃん、有り難う♪私達は北海道でこの子とお兄ちゃん達を見て行きたいの」
「……ッ……あの……玲奈ちゃん本当に良いの?俺で……」
「フッフッ♪お義兄ちゃんも、叔父さんだからね♪
ハァ~あぁもぉ!お兄ちゃん、お義兄さんが泣きすぎ!」
ハッハッハッ、片山を抱き締めると胸の中で泣く……声を殺しながら。
妹夫婦はあ~あって……。
このままではさすがに帰せない。けど……俺は仕事があるから帰らなきゃならない。片山はホテルを探すって言ってたが妹夫婦の家に泊まり朝帰る事にした。
∞∞∞妹夫婦∞∞∞
「ハァ~アまさかお兄ちゃんが男に走るってショックだけど……。」
「何?玲奈は反対派なのか?」
首を振りにっこり笑顔で
「全然!勉は分かんないだろうけど実は私……腐女子なの♪お義兄さんにじっくり聞きたいなぁ♪」
「えっ……?何それ」
「ウフフ♪男同士大~好き」
「……ハァ……ア、俺の前では聞くなよな!俺は興味ないから……。聞きたくないし。」
「うん……趣味混同しないよ♪勉が理解ある人で良かったぁ♪」
「ハァ~アやれやれ、玲奈好きだよ♪」
「うん♪私も大好きよ♪」
軽くキスをするとお腹がポコッと動く。二人で顔を見合せにっこり笑顔でお腹を擦る。
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