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永遠の愛~あなたと共に
あれから俺は歩き初めが引きづるが、歩けるようになり無事退院して、厩務員として復帰する。
片山が病院に迎えに来てくれた……俺は片山に寄り道を頼んだ。見晴らしの良い高台にある教会に着くと、叔父さんと馬主さん、妹夫婦、ふみさんが待っていた。
俺は車から降り片山の手を握りしめ歩く。片山は
「た……拓美?なんで?何しに?」
「教会。結婚しよ♪」
「えっ……?えぇ~!」
俺は片山のぐるぐるしてる頭をそっちのけで腕を引き中に入る。皆が入った所で牧師さんが来た。俺の横に玲奈が立つ。片山の側に馬主さんが立っていた。
牧師さんが話し指輪の交換をする最後の方に
「沢田拓美さん病めるときも健やかなる時も片山優馬を愛すると誓いますか?」
「はい、誓います。」
「片山優馬さん病めるときも健やかなる時も沢田拓美を愛すると誓いますか?」
「……ッ……は……い誓い……ます。」
誓いのキスを……涙を流す片山の頬に触れ唇を重ねた。
皆から祝福の拍手……鳴り響く教会の鐘の音……しあわせになろう♪
それから片山は騎手としてこっちでもリーディングを目指した。俺はブラックだけの厩務員として配属
ただ結婚した事は言わない。けど……テキの(同郷の先輩後輩)配慮なのか近くに部屋を貰った。隣り合わせ……。
ただしあわせはつかの間だった
ブラックが片山が騎乗して3勝した……が調教中に足元の不安が再発した。
俺の事故の件もあり馬主と叔父さんが引退を決めた。
俺は約束通り、競馬場から離れた。
片山はもぉ少しだけ騎手を続けると……。
休みの度に遊びに来ると約束した。
俺はブラックと共に生まれ故郷の牧場に戻った。
叔父さんの仕事を手伝うと……2週間立ち・・・片山が休み取れたって連絡が来て30分程して帰ってきた。
荷物を持ち叔父さんに挨拶をして離れを新居に連れて来た。
やっと気兼ねなく一緒に居られる抱き締め何度も唇を重ねた……。
妹が子供を、遥を連れて来た。
片山は子供とニコニコしながら遊んでる。
俺は仕事をしぶしぶ再会した。
暫くして妹が遥を連れて部屋に入って行った。
片山はきちんと確認してから、俺の手伝いをしてくれた……
片山は手伝いを終わらせブラックに会って来ると一言言って側から離れた。
その時に片山をいや優馬を引き留めていれば
こんな事にならなかった・・・。
どのくらい立ったのか中々優馬が戻って来ない?
俺は優馬を探しに歩いた。
暫くしてブラックのけたたましい鳴き声に驚いた!
慌てて見に行くと知らない馬に立ち上がる、ブラックの姿・・・
足元に人の姿?妹の姿?ひょっとしたら……。
俺はあわててフォークを持ち追い払う。
「お義兄ちゃん!遥ぁ!」
妹は叫んでた……叔父さんも慌てて走って来た。
片山は子供を庇うようにうずくまってた。
「ゆ・・優馬ぁ?優馬!玲奈……救急車を救急車!早くっ!」
叔父さんが連絡をした……片山の腹の下から遥の泣く声を聞き、片山を抱き抱え遥を妹が抱き締める・・・
救急車が来て、急いで乗り込んだ。
勉の居る大学病院に着き……ICUに入って行った。
妹夫婦が走って来た。俺は扉にくっつく
「ハァ……ハァ……ッ……お義兄ちゃんは?ねぇ……お義兄ちゃんは!」
勉は俺の肩を叩く……支えながら長椅子に腰を掛けさせてくれた。
(嫌な予感がする……怖い……怖い……こわい)
身体が震える。止まらない。
「れ……いな……。玲奈、何……があったんだよ」
妹は泣いてて話しにならない。
イライラする……
「ッ……玲奈!」
びくっ……。
勉は玲奈の肩を抱き、涙を拭きながら
「は……るかが、お義兄……ちゃん見つけてェ……ハイハイしながらお義兄ちゃんの所に……ッ……そぅ…したらいきなり馬が来て。遥を両脚で立ち上がり踏みつける所でお義兄ちゃん遥を庇ったの……ブラックが……その馬の前に飛び出したんだけど!ガツンっガツンってェ……私……私にも向かってきたブラックが助けてくれた」
(な……にを……何を言ってる?)
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