それから、秀介は首筋を辿って鎖骨へと唇を這わせ、最後に胸の頂にある紅いグミに口付けを落としてきた。 「あ、ん……」 響の声が裏返る。 普段の生活では何も感じない乳首という名の性感帯は、セックスの場において大いに感じる場所となるらしい。 乳首の先端からもたらされる甘い痺れが、響の呼吸を速まらせる。 秀介は、次に片手を伸ばして響のペニスを握ってきた。 「あ……！」 誰にも触らせたことのない、敏感な陰茎。 それを上下に扱かれれば、すぐに先端から先走りが滲んできた。 「あ、あぁ……んぅ……ッ……」 裏返った声が、自分の声じゃないみたいだ。 この声は、秀介の耳にどんな風に聞こえているんだろう。 「し、秀介……？」 「ん？」 「こ、声……気持ち悪いよね……？」 問われると、秀介は少し強めにペニスを扱き、響から更に上ずった声を引き出した。 「気持ち悪くなんかない。そんな風に自分を卑下するな」 そんなことを言われたって、どうしたって比較してしまう。 大学時代、秀介の隣を歩いていた、可愛らしい彼女達と、自分の声を。 明らかに異質で、違和感は半端ないはずだ。 「うぁッ！？」 一際大きく啼けば、アナルの付近を秀介の指が行き来している。 そうだ、あの狭い孔の中に、秀介の熱を咥え込むんだ。 そう理解した響は、少しだけ上半身を起こしてみた。 そして、秀介のペニスを視界に入れ、驚いた。 太くて、硬そうで、もう先走りが滲んでいる。 あんなに大きな熱が、果たして響のアナルのナカに挿るものなのだろうか。 「んぅぅぅ！？」 その時は、唐突にやってきた。 秀介がアナルをこじ開けようと、指を挿し入れてきたのだ。 きつい、苦しい、怖い。 「響、力を抜いててくれ」 そう言われて、何度か軽く深呼吸をすると、息を吐くタイミングで指が奥へ奥へと侵入してきた。 指なら何とか挿るのか──。 だが本数を増やされ、内側で指がバラバラに動かされるようになると、呼吸を忘れるほどに苦しくなって、脂汗が滲んでしまう。 「んぅ……クッ……ひぁ！？」 苦痛と閉塞感に苛まれる中、響の目の前にたった一つの灯が灯された。 感じる部分があるのだ。 しかも、前をいじられているのと同じように、目の前がチカチカするほどの快感が、痛みの中に確かに混じっている。 秀介の方も、ようやく響の前立腺を探り当てたことで、内心胸を撫で下ろしていた。 ここを探してやらないと、響への負担は重くなるばかりだと、ネットで調べたことがあるからだ。 だから秀介は仕掛ける。 響に極上の快楽を与えながら、自分自身もそれを味わえるように。