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撮影のお仕事10

 二人で話をしていると撮影スタッフ達の準備が整ったのか、 「もうすぐ、始めまーす!」  と言う声が掛かる。  すると今まで諒馬と玲音でしか話をしていなかったのだが京平もベッドの上に上がって来て、 「諒馬君って言ったっけ? 今日からよろしくね」  そう営業スマイルなのか普通に笑顔をしてきたのかは分からないのだが諒馬に向かい笑顔を送ってくる京平。 「あ、はい! よろしくお願いします!」  京平の笑顔は爽やかだ。  諒馬と言えば結構平凡な顔と言えば平凡顔であるのだが京平は違う。  もしかしたら、この会社の中で、この二人は看板男優なのかもしれないと思う程だ。  タチ役の京平は背が高く細身で筋肉質の体で声も低音で恋愛ドラマの主人公でも出来そうな位の理想のタイプの男性像だ。 しかもイケメンとイケボどちらも兼ね揃えている。  そして先程から諒馬に声を掛けて来ている人懐っこい玲音。 玲音もネコとして理想のタイプなのかもしれない。  年は全く何歳なのだか検討はつかない位に見た目は若い。 もしかしたら諒馬より年上なのかもしれないのだが、もしそうだとしても本当に諒馬より年上には見えない位に顔は童顔だ。 夜ゲームセンターで遊んでいたら確実に店員さんに声をかけられそうな位に本当に童顔の上に美少年と言ってもおかしくはない位に可愛い。 それに付け加えて身長も150cmちょい位なのだから、ますます可愛いという言葉が似合う子だ。 そして細身だが少し肉が付いている位で完全に骨と皮だけではない所がこりゃまた可愛すぎるだろう。 しかも気のせいであろうか気持ち的にお尻も丸くて柔らかそうな感じだ。 普通男性のお尻というのは平べったく筋肉質だってイメージという表現が合うのだが、そう男性のお尻というのは玲音のようには丸くはないもんだ。  諒馬の方は至って平凡。 身長も平均値であれば体付きも普通。 何にしたって今まで平凡。 モテた事も無ければ嫌われる事もなく過ごして来たのだから。  普通が一番。 って言葉があるが可愛い一番、かっこいい一番、普通が一番。 というメンバー。 これはこれでバランスが取れているのかもしれない。 「準備出来たから、そろそろ本番行くよー」  その言葉に玲音は、 「本番だって! もう、諒馬君は準備出来た?」 「うん! 大丈夫!」 「じゃあ、諒馬君が頑張って僕のこと気持ち良くさせてくれるなら、後は諒馬君に任せるよ……」  と玲音は諒馬の肩辺りを軽く叩くとベッドの上に仰向けになる。  これからがいよいよ撮影の本番だ。

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