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撮影のお仕事12

 流石は慣れているといった所であろうか。 それとも視聴してくれる皆様へのサービスなんであろうか。  本当にプロの行為に諒馬は圧倒されそうになっているのだが、そこは負けじと玲音の胸の突起に吸いつく。  いや、もしかしたら京平の真似を始めたのかもしれない。 京平や玲音についてはもう半年もこういう仕事をしているのだからプロに決まっている。 なら諒馬の場合には真似をした方がいいと思ったのであろう。  普通に恋人同士でやるならば、そんな大げさな音は立てなくても良さそうなのだが今は仕事でこういうことをしているのだから、こう大袈裟になる位の音の方がマイクも拾ってくれて視聴者の聴覚をも刺激してくれるのは間違いない。  そういうことも考え、きっと京平は大袈裟に音を立てているのだから。 「ぁあ! ぁああああ! 気持ちいいん! 今日は二人に責められるなんて……」  と玲音は涙目になりながら更に可愛く色っぽさを出していた。 そして腰や背中をくねらせて気持ち良さもアピールしている。 「ぁあああぁあん! も、もうっ!……」  と玲音は「イくっ!」と言いそうになったのだが、それを京平が親指の先端で押さえられてしまったようで、 「ぁんっ! ん? やぁん! ダメぇ……! イかせてぇ!」  そう本当にイきたかったのか涙目で訴える玲音。  だが京平の方はただ玲音の姿にニヤけるだけで、どうやらイかせてくれないようだ。 「まだ、イかせない……そんなに早くイかせてしまったんじゃ、面白くないだろ?」  京平はあの低音ボイスで言う。  京平の低音ボイスは世の女性達をもその声だけでイかせてしまいそうだが、残念ながら京平も男性にしか興味がないだろう。 でなければ、こういう世界には来ないのだから。  寧ろ諒馬の方もその声だけでやられてしまいそうだったのだが諒馬は首を振り現実へと戻すのだ。 「今日は三人でなんだから……玲音のこともっと気持ち良くさせたいんだけどね。 このままイくのともっと気持ち良くなってからイくのとどっちがいい?」  本当に京平は演技で言ってるのかもしれない。 いやもしかしたら素で言っているのかもしれないのだけど。  諒馬も確かに恋人がいた頃はタチだったのだが、いつもノーマルで今みたいに京平が言ったようなことはやったことがなかった。  気付くと玲音は京平から視線を外して恥ずかしそうに、 「ぁ、後の方がいい……」  と小さな声で答えている。 「後の方とは!?」  きっと京平のことだ、ちゃんと答えないと実行しないタイプなのかもしれない。 それとも本当にSなのか、やはりこれは撮影しているのだから演技という所も考えられる所だ。

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