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撮影のお仕事3-32

 その時だって相当痛かったのにそれを今の玲音には二本挿れようとしているのだから痛いに決まっている。  すると京平は玲音の耳側で本当に小さな声で、 「玩具と俺ので相当練習しただろ? だから、玲音なら出来るって……」  カメラでは音を拾えないような小声でそう言っている京平。  ……やっぱり、今回のは京平と玲音は一応練習してたんだ……ってより、慣らしてたっていうのかな?  そうなると、この二人のプライベートはやはり京平がタチなんであろう。 ま、京平がネコってことはあり得ないか……。 そう俺は一人納得してしまう。 「ぁ……でも……」  玲音は涙目で京平の方に顔を向けていた。 「分かってる……でも、今は仕事だし……」 「あ、うん……」  京平にそう言われ玲音は何か諦めたのか、また正面へと向き直す。 「力抜かないと入らないんだけど……」 「だから、それは難しいんだって……さっき言ったけど……」 「君なら出来るんじゃないの? だって、自分で毎日のようにやってるんでしょ? その時は力抜かないの?」 「だって、痛くないし。 人間って、痛い時には無意識に体に力入っちゃうもんなんですけど……」  そうなんでか今の玲音は怒っているようにも思える。 「……って、僕は襲ってもいいけど……痛いのは嫌だって言った筈なんだけどな!」 ……あー、やっぱり、玲音めっちゃ怒ってるし。 「大丈夫だって……」  そう京平は玲音のことを宥めるように低く甘い声で言っていた。 「ぁ……ちょ……それ弱い……」  そう言われてみれば最初の方で玲音が言っていたような気がする。  そうだ! 玲音は耳が弱いんだった!  それを知ってか知らずか京平は玲音の耳側で低音ボイスを響かせ更に耳までも舐めている。 「ん……! ちょ……!」 「やっぱり、君は耳弱い? 思った通り……体に入っていた力抜けてきた」 「ぁ……」  その言葉と同時に玲音は京平の方に顔を向ける。 「そういうこと……」  ……あぁ、成る程……流石は玲音のことを知り尽くしている京平だ。 確かに玲音の弱い所を責めれば玲音の体からは力が抜けるって作戦だったんだろう。

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