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撮影のお仕事3-37
俺は首を傾げながら京平のことを見上げる。
「だからっ!」
それに痺れを切らしたのか、
「だからさ、今日はコイツを襲いに来ただけだし」
……あ、そうか! そういうことだったんだ!
やっと俺にも京平が言ってる意味が分かって俺は玲音の体を床へと置くと未だフラフラとする足で立ち上がる。
しかも、もう京平はズボンを履いていた。
俺もとりあえずズボンを履くと玲音をそのままに京平と共にとりあえずエレベーターを降りる。
その後もカメラマンは玲音のことを暫く撮り続けていた。
カメラマンが静かにカメラを下ろすと、これで、やっと今日の撮影は終わりになる。
それと同時に俺は溜め息を漏らした。
そして再びエレベーター内に京平と入ると京平は玲音のことをお姫様抱っこをして抱き上げる。
「玲音……大丈夫か?」
今まで名前を口にしなかった京平だったのだがやっと撮影が終わって恋人の名前をやっと呼べるようになったみたいで優しく玲音にそう言っていた。
あ、やっぱり、この二人は恋人同士なんだって改めて思い知らされた瞬間だ。
……ホント、恋人って羨ましい。
そんな二人は微笑ましく思える。
そんな中、カメラマンが俺に話掛けてくる。
「ねぇ、あの二人って本当に羨ましいですよね?」
「え? あ……うん……本当だね……」
「前から思ってたんですけど……恋人同士なのにこういう仕事をしていてプライベートでも一緒で仕事でも一緒で……それもいいなって……」
「確かに……」
俺が言葉を止めると何だかそのカメラマンの視線が俺の方に向いているような気がして俺はそのカメラマンの方に視線を向ける。
「……ん?」
すると視線が合って何か訴えているような気がした。
「申し訳ありませんっ!」
そう言って俺に向かいカメラマンは頭を下げてくる。
……って、カメラマンさん……俺に何か悪いことでもした!?
俺はまさにそんな状態だ。
でもカメラマンさんが俺に何か悪いことをしたっていうことはなかった筈だ。
俺はそのカメラマンの行動に首を傾げる。
頭を下げるってことは、それ相応の悪いことをしたっていうことだと思うんですけど……。
何回考えても思い当たる節は見つからない。
それでも、そのカメラマンは未だに頭を上げようとしなかった。
「あの……本当に申し上げにくいのですが……」
「あ、うん……」
と俺は頷く。
「僕は……どうやら、貴方のことが……カメラ越しに見ていて……カッコよく見えてしまっていたんですけど……」
……はい!? それって、どういうこと!?
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