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撮影のお仕事4-3
「そんなに聞きたい!?」
そう玲音の顔に顔を近付けて聞く俺。
それでも玲音は頭を二回位頷かせて未だに目をキラキラとさせていた。
「もう……シたよ……」
これだけ溜めておいて、そうあっさりと言う俺。
これだけで話は済むだろう。
「まぁ、恋人同士なんだから当たり前だよねー……しなかったら恋人同士じゃないしっ!」
「そんな事ないでしょー……今の世の中には恋人になってもしない人だっているかもしれないよー」
「ま、確かにそうなのかもしれないけど……でも! 普通はすると思うけどね。 じゃあ、キスは当然したよね?」
……今度はそっちの話題ですかー?
俺はその玲音の質問に視線を反らして、
「あー……それは……してない?」
と自分の事なのに疑問系で返す俺。
「ぇえええ!? してないの!? 恋人同士で抱き合ったのにキスはまだってどういう事!?」
そう大きな声で言う玲音。 その声は完全に部屋内にいるスタッフ達には聴こえているだろう。
俺はそこにため息が漏れる。
……デリカシーがないというのかなんというのか。
「だって、仕方ないでしょ! デートみたいなのが初めてだったのに……いきなりホテル行ってしちゃったんだからさー」
「へ? そうなの!?」
「俺だって、キス位はしたかったんだけど」
と小さな声で言ったつもりだったのだけど、どうやら玲音はその俺の言葉を聞いてたらしく、
「え? キスしたかったんだけど……何?」
「あー……それは……だから……」
その玲音の質問に俺は本当に玲音から視線を反らしていた。
……って、そこまで聞かなくても。
と心の中で玲音の恋人である京平さんの方に助けを求めようとしていたのだが、それを聞いて京平さんはクスクスとしているだけだ。
その様子からすると京平さんも俺と成都さんの話を聞きたいという所であろう。
俺は一息漏らすと観念したように玲音の耳側で、
「だから、今回は成都さんに押されて……」
「押されてって……だって、諒馬君がタチなんでしょ? まさか、成都さんがタチだったとか!?」
「あー……もう、そうじゃなくて。 俺は確かにタチだったんだけど……」
と俺はそこで言葉を止める。
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