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僕はリビングでメイドさんとして箒を持って掃除をしている。 諒馬君はソファに座っていて京平は秘書の役なのだから、諒馬君がいるソファの隣に座って何かメモのような物を持っていた。
今日は諒馬君が社長という役なのだから、ある意味、お話を引っ張っていくのは諒馬君なのかもしれない。 諒馬君が引っ張ってくれないと話は進まないのかもしれないという事だ。
「とりあえず、今日のスケジュールはですね……」
と京平は秘書らしく今日のスケジュールを延々と社長に向けて告げて行く。
僕はたまたま京平の後ろに回ってそのメモらしき物を覗いたのだが、そこには何も書かれていなかった。
……?
と思いながら首をかしげる。
……って事は京平は何も無しで自分の頭で勝手にセリフを作ってるって事!?
……あ、いや確かにここで制作する場合、セリフとかって自分達で考えるっていうのか展開に応じて喋る決まりにはなってるんだけど、まさか京平はその延々と話しているセリフにメモしてあると思いきや書いていない事にビックリしていた。
……あー。
と僕の方が呆然とみてしまいそうだ。
だって本当に京平の演技が鮮やかなんだもん。
それから一回そこで話が切られて、僕達は隣のベッドのある部屋へと移動する。
いよいよ、ここからが本番っていうのかな?
僕が社長の諒馬君に呼ばれてベッドの上で色々としている時に京平が来て、それから三人でって話になるみたい。
さっき、そんな事を京平が話していた。
一応、京平の頭の中には脚本があるみたいで、僕達はその京平が頭で作っている脚本の通りに動くって感じなのかな?
とりあえず僕は社長の役である諒馬君の側にいる。
諒馬君は一日の疲れを癒す為にベッドの上に横になっている状態だ。
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