「え？　そうだったんだね……なら、それに付き合って上げないと失礼に当たるのかな？」 「え？　あ……うん、そうなのかなぁ？」 　そう僕は京平のその言葉で視線を反らしてしまう。 　もう僕からしてみたら男らしい京平にくらくらだからだ。 　僕がああ言えば京平からはもっと上の言葉が返って来る。 　僕から誘っても最終的には京平が上になる。 　ま、当たり前の事なんだけど、僕からしてみたら京平は最強だという事だ。 　僕はとりあえずそういう事は諦めて、今日は京平の事だけを見ることにする。　そして甘えたり誘ってみたり……こういう時って二人だけのプライベートな時間でしか出来ないのだから。 仕事の時は流石に京平に甘えたりするのは遠慮してる方かな？　だって諒馬君もいる時もあればスタッフさんだっているのだからね。 　流石に人前でそんな事が出来るはずもないのだから、今だけ京平に甘えたいと思う。 「で、今日は私にどうしてもらいたい？」 「……ん？」 　とは思いながらも、本当に今日の僕は京平に甘えたいってだけだ。 「甘えたい……かな？」 その言葉に京平は吹き出す。 「ホント、玲音って可愛いよね」 「だって、本当の事だもん」 「ま、素直な所が可愛いしいいんだけどね」 「じゃあ、素直じゃない僕は可愛くない？」 「そういう意味ではないんだけど。 玲音の場合、全体的に可愛いんだけどさ……でも、素直な部分も可愛いっていうのかな？」 その言葉に僕は、 「もう……！」 頬を膨らませてみるのだけど、ふざけて頬を膨らませているのが分かっているのか京平は、 「何もかも玲音は可愛いとしか思えないんだけど」 「もう！ もう！　いつまで可愛いって言うの！？」 「私からしてみたら可愛いもんは可愛いんだから仕方ないだろ？」 　と僕が望んでいた甘い時間を京平と過ごしていた。