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僕達の休日41

 そして滑らすように上下にと京平の手が動いてきていた。 「ぁ……」  いつもとは違う京平の手の動きに体から力が抜けてきそうな感じになってくる。 「ちょ、きょ、京平ぇ……」 「今はマッサージ師ですよ……京平では……」 「じゃあ、なんて呼んだらいいの?」  そう僕はトロンとした表情で京平の事を見上げる。 「そこ位は名前で呼んでもいいんじゃないの?」 「まぁ、そうかな?」 「じゃあ、名前で呼ぶ? だって、今は仕事じゃないんだからさ、プライベートの時位、名前で呼ばせてよね」 「あ、うん……そうだね」  やっと京平の名前を呼べるようになった気がする。 「はぁ……やぁ……こういうの久しぶりのような気がする」  そう言うと京平はクスと笑っていた。 「こういうのって? のんびりとした感じ?」 「それもあるけど……京平と二人きりでこう恋人らしい事っていうのかな?」 「でも、私はこのままマッサージ師さんを続ける気だけど……」 「うん……いいよ……二人きりだからさ、京平がやりたいようにやって」  そう僕は甘えるように言う。  なんていうのだろう? 仕事の時はこうせかせかした感じがするのだけど、こういう時は急いでいないっていうのかなんていうのか、二人だけの空間って感じがしていつもとは違う感じがする。  しかも京平の場合こう大人な雰囲気も醸し出していて、家にいるのにどっか豪華なホテルとかにいるような感じがしてるのは気のせいであろうか。  いや、実際、京平の家はそんな感じだ。  高級マンションに住んでいるからって訳ではなく、京平からして大人な雰囲気が出ているのかもしれない。  実際、京平は大人なのだけど紳士って感じだから余計なのであろう。  部屋の中にはアロマの匂いも漂っている。  だから余計に大人な雰囲気なのかもしれない。  京平にモノを触られているのにほんわか気持ちいいって感じでいつもの激しさはない。  ……ほわほわとした気持ち良さなのかな?

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