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初体験 ステップ11

 未だに僕が言ってる意味が通じてない様子の諒馬君に、僕は、 「だーかーらー! ま、とりあえず、京平がそう言ってたんだから、素直に白衣に着替えてくれたらいいんじゃないの?」  と半分キレ気味に言う僕。  別に僕は諒馬君に怒ってる訳じゃなくて、あくまでふざけて言ってるだけなんだよねー。 そこの所に諒馬君は気付いてくれるかな? 「……まったく、分かったよ」  そう若干頰を膨らませながら言う諒馬君なんだから、ちゃんと僕がふざけてたって事分かってくれてたって事なんだよね。  諒馬君の方はこう軽くブツブツって言う感じで、ロッカーにしまってある白衣を取り出して着始める。  まぁ、白衣だから、上着にさらりと着る感じだから簡単なんだけどねー。  って、思っていたら……!? 「……あははははー! って、諒馬君の身長にしては、その白衣長くない? しかも、袖も長いしー!」  その僕の笑いに諒馬君は顔を真っ赤にしていたようにも思える。 って、諒馬君ってホントそういう所からかいがいがあるって事なのかな? って、諒馬君って本当にタチ!? っていう位、可愛い所あるんだよねぇ。 「あ! 分かった! それって、京平のじゃない?」  僕はそれに気付いて納得する。 うんうん! そうそう! だって明らかに諒馬君の身長に合わせたって感じじゃあないんだもん。 その衣装は絶対的に京平の身長に合わせたって感じだもんね。 「諒馬君は京平と違って、身長そんなにないもんね」  その僕の言葉に諒馬君の方はまたこうブツブツと何かを言っているみたい。 「確かにー、京平さんよりか俺の方が身長が低いけど、それでも、俺の方は日本人成人男性の平均身長は越えてるんだからなー」  だって……。 僕の方も本気ではそう言ってないから、諒馬君の方も本気でそう言ってないって感じかな? んー、いじけてるって感じ? 二人共、本気では言ってないからなのか喧嘩にはならない程度っていうのかな?  ま、いーや……それで、諒馬君はその今着ていた白衣を一旦ロッカーへとしまうと、今度は小さな感じの白衣にしたらしい。 だけど、今度は……!? 「……って、今度のは小さくない?」  僕の方はそんな諒馬君姿を見ながら俯き加減で笑い始める。 だって今度はさっきとは違って袖は短いし丈もお尻までっていうのかな? 普通、白衣って太股までっていうイメージじゃない? 「今度のは僕のだよねー? って、自分のサイズ位分かるよね?」 「分かってるつもりなんだけどなぁ」 「……え? ちょっと待って!!」  そこで僕は逆に疑問に思う。 だって、こう僕のイメージではネコが白衣姿になるっていうイメージがないからだ。  ……今、諒馬君が着ている白衣っていうのは僕のなんだよね?

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